内容説明
留学生として南ドイツを訪れた日本人女性京。男女共同の学生寮に驚き、習慣の違いに戸惑いながらも、楽しい仲間に恵まれ、パーティにサッカー観戦、小旅行とドイツ暮らしに夢中になっていく。幸田露伴、文、青木玉を継ぐ筆者が、人との出会いと別れ、美しい街の息吹を詩情豊かに綴る、新感覚の長篇エッセイ。
目次
ドイツ行(夕暮れの飛行場;トランク ほか)
秋(紅い蔦の葉;普通の洗濯 ほか)
冬(十二月の香水店;聖ニコラウス ほか)
春(黄色い春;フランクのカロリー計算 ほか)
夏(いつのまにかの夏;せっかち ほか)
著者等紹介
青木奈緒[アオキナオ]
1963年4月東京小石川に生まれる。学習院大学文学部ドイツ文学科卒業、同大学院修士課程修了。オーストリア政府奨学金を得てウィーンに留学。その後1989年より通訳、翻訳などの仕事をしながらドイツに滞在。1998年秋帰国
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感想・レビュー
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てくてく
2
著者の家系に関する情報がなければ出版化されたかどうかはわからない若書きではあるが、それでいて鼻につく感じはない、若い人のドイツ留学生活がきれいに描かれていて好感を持った。日本人が日本人ではない人と議論する際に問われやすいクジラや環境問題に関して、よくわからないと答えた著者に対する「知らなければ悪くないのか」という問いは、自分自身への問いとして、強い印象を残した。2015/03/28
mkt58
0
著者のドイツ留学体験が書かれたノンフィクションかと思ったらフィクションでした。軽快なタッチで書かれていて,ぐいぐい読み進むことができました。そして,文化の違いなどもやわらかく書かれていて,ほんわかする本でした。2016/06/07
bunca
0
80年代後半(かな?)のドイツ留学の体験記。当時も意思表示をはっきり出来ない日本人ということを気にしていましたが、現在もあまり変わっていないような気がします。2016/03/16
bunca
0
ドイツ留学をした女学生のお話で各国の学生の集まる寮での文化の違い、考え方の相違に戸惑いながらも成長していく京に作者を重ねてしまいます。幸田露伴のひ孫という血筋か、ドイツの風景が美しく描かれていて行きたくなります。そういえば、私もハリネズミについてうろ覚えだけれど、ドイツの人にとっては身近な存在だというのも発見でした。2012/02/17
書庫の番人
0
小学生の時読んだ、ドイツ留学の話。少し時代は古いけど、これを読んだら留学に憧れると思う。まぁ、現実はそんなものじゃないけど(笑)私も留学して日本との違いを実感した。続編はそんなに面白くなかったけど、また読みたくなったな☆2011/05/18