講談社文庫
花の下にて春死なむ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 280p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062733274
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

年老いた俳人・片岡草魚が、自分の部屋でひっそりと死んだ。その窓辺に咲いた季節はずれの桜が、さらなる事件の真相を語る表題作をはじめ、気の利いたビアバー「香菜里屋」のマスター・工藤が、謎と人生の悲哀を解き明かす全六編の連作ミステリー。第52回日本推理作家協会賞短編および連作短編集部門受賞作。

著者等紹介

北森鴻[キタモリコウ]
1961年山口県生まれ。駒沢大学文学部歴史学科卒業。1995年『狂乱廿四孝』(東京創元社)で第6回鮎川哲也賞を受賞して作家デビュー。1999年『花の下にて春死なむ』(講談社)で第52回日本推理作家協会賞短編および連作短編集部門受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐々陽太朗(K.Tsubota)

235
書評家・大矢博子氏によると食べ物を表して、読者に「食べたい」と思わせる技術に特に秀でた作家は池波正太郎、北森鴻、高田郁、近藤史恵なのだそうである。(近藤史恵・著『ヴァン・ショーをあなたに』の解説より) ならば、と初めて北森鴻氏の小説を手に取った。なるほど、小説中、ビアバー「香菜里屋」で供される料理とビールの美味そうなこと、思わず生つばゴクリである。ミステリとしての独特の味わいも魅力に溢れている。これまで一度も北森氏の小説を読まなかったとは迂闊であった。2015/03/24

おしゃべりメガネ

210
柴田よしきさんの『ばんざい屋』に対をなすわけではありませんが、こちらはマスターがミステリーを解き明かす展開のシリーズです。とても地味な主人公ですが、ジワジワと存在感を発揮し、クールに謎を解き明かしていきます。こちらも料理の記述に関してはお恥ずかしながらノーコメントですが、ミステリーとしては疲れることなくスラスラと読むことができ、リラックスできると思います。4作のシリーズとなっていますが、どれもそんなにボリュームが多くないのでどんどん読み続けてしまいます。もうお亡くなりになられた筆者なのが、本当に残念です。2012/11/18

yanae

160
香菜里屋シリーズが気になっていて手に取りました。シリーズ一作目。もう作者の方は亡くなられてるんですね…。とても素敵な雰囲気のミステリーでした。ビールバー香菜里屋のマスター工藤はおいしいごはんとお酒をだすだけじゃなく、お客がかかえる謎を解決してくれます。人柄もよくみんなが癒されに通う香菜里屋。出てくる事件は結構重々しい殺人事件だったりするのだけど、作風が重くなりすぎないのは、マスターの人柄かな。10年前から今流行りのスタイルを書いているのがすごい!シリーズ四作追いかけます。2017/06/06

文庫フリーク@灯れ松明の火

152
やっと読めました、初の北森鴻さん。読み友さんレビューで目にしていたビアバー《香菜里屋》ビアサーバーから注がれる4種類の度数変えたビール、店内の様子、料理が想像していたよりオシャレ。バーテンダースタイルかと思えば、精緻なヨークシャーテリアの刺繍入ったワインレッドのエプロン・マスター工藤。印象深かったのは「終の棲み家」巻頭の標題作が巻末「魚の交わり」に繋がるのですね。安楽椅子探偵ものと聞いていたので、斎場から始まる標題作に戸惑いましたが、渋くて個人的に好みの味です。手元に有る『蛍坂』まで行きます。2011/05/19

takaC

138
解説で書かれていた通り、最初と最後のテーマがきれいにリンクした首尾一貫した連作短編集だった。「六粒で七度おいしい短編集」に甚く同意。2012/07/27

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