内容説明
一九三〇年代。創世記の伝説を探るためアララト山を目指した「ノアの方舟探検隊」の飛行船。奇人学者や美人秘書、新聞記者ら一行を待ち受けていたのは絶滅したはずの恐竜と謎の部族、そしてスパイに連続殺人。冒険に満ちた古の怪異を、博覧強記の俊英が精緻な論理で解き明かす奇想天外な傑作本格ミステリ。
著者等紹介
芦辺拓[アシベタク]
1958年生まれ。同志社大学法学部卒業。新聞社勤務の傍ら執筆活動に入り、’90年『殺人喜劇の13人』で第1回鮎川哲也賞を受賞。’94年より作家専業となる
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感想・レビュー
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セウテス
83
【森江春策】シリーズ第4弾。森江春策が知り合った謎の老人の、話を聞く部分が物語として描かれ、その中で起こった殺人を春策が謎解く安楽椅子探偵作品。その話は、昭和初期に組織されたノアの方舟探険隊が、アララト山の地割れから、ロストワールドに到達したと言うもの。アドベンチャーとしては中々楽しめるものの、ミステリの舞台設定として失われた世界の話は長すぎる。途中で何の話だったのか?と、たびたび思い返す程である。作中作トリックの一つとしては、意欲作品なのだと理解するが、ティラノサウルスと戦いながら殺人て言われても、だ。2020/06/10
ダイ@2019.11.2~一時休止
40
森江春策の事件簿その4。本作は過去の話を聞いて推理する安楽椅子探偵の形。うまいんだけどシリーズ物にするには森江の出番が少ないのが残念。2014/08/23
臓物ちゃん
8
ノアの方舟探索隊内部で起きた殺人事件を扱うミステリなら周木律『アールダーの方舟』があるが、そこにティラノサウルスが出てくるのは本書だけだ!時は昭和初期、日本の探検隊が迷い込んだ恐竜とUMAが跋扈するトルコの秘境で起こる不可解殺人の真相が時を越えて明かされる、傑作冒険推理小説。殺っとる場合かーっ!とは思うが、さすがの芦辺さんで久生十蘭とか小栗虫太郎のあの怪しい衒学趣味の感じが完全に再現されていてフェチにはたまんねぇぜ。歴史の裏側が明かされる冒険小説の妙味も堪能できるイカした一冊。2022/04/25
ホームズ
5
『ロスト・ワールド』・・・。これは少し微妙かな・・・。2000/09/01
宇佐見
4
途中、話が入ってこない場面多数。謎解きは面白いが、一人ひとりのキャラが立っていないため、物語になっていない感覚だった。★★☆☆☆2023/06/04