講談社文庫
リミット

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  • サイズ 文庫判/ページ数 523p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062731720
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

連続幼児誘拐事件の謎を追う警視庁捜査一課・特殊犯捜査係勤務の有働公子。婦人警官でなく、一人の母親として事件の当事者となってしまった彼女は、わが子を取り戻すため、犯人のみならず警視庁4万人を敵にまわすことに…。驚愕の展開、そして誰も予想だにしなかった戦慄の結末。ミステリーの到達点。

著者等紹介

野沢尚[ノザワヒサシ]
1960年愛知県生まれ。日本大学芸術学部卒。’85年テレビドラマ「殺して、あなた」、映画「Vマドンナ大戦争」で脚本家デビュー。その後、映画「その男、凶暴につき」、ドラマ「青い鳥」ほかヒット作は数知れず。’97年『破線のマリス』で第43回江戸川乱歩賞受賞。同年、『恋愛時代』(幻冬舎)で第4回島清恋愛文学賞受賞。’99年、ドラマ「眠れる森」「結婚前夜」の2作品で第17回向田邦子賞受賞。2001年、『深紅』(講談社)で第22回吉川英治文学新人賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

🐾Yoko Omoto🐾

156
子供をターゲットにした臓器売買、人身売買。卑劣な悪人に我が子を誘拐された女性警官が、孤立無援で立ち向かう、ブルース・ウィリス顔負けのハードアクションサスペンス。絵が見える躍動感、疾走感、臨場感で魅せ惹き込む手腕は流石で、後半の、悪天候とともに刻々と迫り来る台風の描写に、誘拐犯と母親の最終決戦に至るまでのジリジリとした緊迫感をリンクさせた構成も見事。追う者と追われる者が時に反転しながら、双方のリミット(極限状態)が振り切れる瞬間まで、息もつかせぬ怒濤の奪還劇が繰り広げられる。→(続)2016/09/18

セウテス

78
誘拐事件が発生、金の運搬を指名されたのは被害者宅に詰めていた女性警官だった。実はその裏では、女性警官の一人息子が犯人側の手に落ち脅迫されていたのだ。臓器移植に関する法律やルールの不備を、社会テーマにした事は野沢氏らしい。愛情を知らぬ者が突き進む悪の道と、子供を守る為に立ち向かう母親の、両者のリミットを超える想いが、相反する二人の女性の対比でイメージしやすく読み応えが出たと思う。もう1つの設定である此方側の協力者は誰か、という謎解きはサスペンスの緊張感も味わえる。只単純にハードアクションを、楽しんでも良い。2016/09/27

sk4

78
『蒼林堂古書店へようこそ』(乾くるみ)に紹介されてて読みました。 児童買春・人身売買・臓器ビジネスへの新規参入を目指す犯罪者たちと、誘拐された息子を盾にされた婦人警官とのガチバトル。 息子の命を救うためには警察をも裏切る母ちゃん、強ーー!! ところで、犯罪者の中の東南アジアの男は幼少の頃、目の前で妹の頭を吹き飛ばされたという不幸な生い立ち。だからと言って犯罪行為は許せるものではないが、『永遠の仔』(天童荒太)でも幼少の頃の虐待が犯罪者を作り上げた。 やっぱり【人間】に必要なのは親の愛だということなのね。2013/02/27

アッシュ姉

77
一人息子を誘拐され、連続幼児誘拐事件の当事者に巻き込まれた女性警官。子供をターゲットにした卑劣な犯罪にのめり込む元女教師。警官であることを捨て、わが子を取り戻すため一人で立ち向かう母親の気迫が凄い。どこまで残忍になれるか自らを試すがごとく悪の道へと転がり落ちていく主犯格の女との温度差が見事だ。愛する子供のためなら命懸けで何でもする、家族愛を知らず残虐なことでも何でもする、対照的な二人がぶつかり合い、そして交錯する。焦燥感と疾走感に包まれて、最後の最後まで緊迫した読み応えのある展開に感嘆。(続く➡)2016/09/16

chika

76
流石、凄腕脚本家!セリフ回しが、カッコいいです。母性愛+ダイハード張りアクション+誘拐&臓器売買+腐敗した社会構造等のネタが小気味よく配備され、作品の面白みを増加させてます。犯人目線での描写も効果的かな。ひたひたと、眠れる森、深紅 同様野沢作品クオリティー高いです。もう、お亡くなりになって13年経つんですね。合掌(≧∀≦)。 2017/08/11

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