講談社文庫<br> コンピュータの熱い罠

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講談社文庫
コンピュータの熱い罠

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  • サイズ 文庫判/ページ数 321p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062731348
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

相性診断によって男女を引き合わせるコンピュータ結婚相談所。オペレータの夏村絵里子は、恋人の名前を登録者リストに見つけて愕然とする。「何かがおかしい」彼のデータを見直し、不審を抱いた絵里子を、正体不明の悪意が捕らえる。相次いで身辺で起きる殺人事件は、増殖する恐怖の始まりでしかなかった。

著者等紹介

岡嶋二人[オカジマフタリ]
徳山諄一(とくやま・じゅんいち 1943年生まれ)と井上泉(いのうえ・いずみ 1950年生まれ。現在、井上夢人で活躍中)の共作筆名。ともに東京都出身。’82年「焦茶色のパステル」で第28回江戸川乱歩賞を受賞。’86年「チョコレートゲーム」で第39回日本推理作家協会賞を受賞。’89年「99%の誘拐」で第10回吉川英治文学新人賞を受賞。同年、「クラインの壺」刊行と同時にコンビを解消する
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nobby

111
もう皆さんに同じく、展開・黒幕・伏線など分かりやすく楽しめる安心の作品。結婚相談所の登録リストに恋人の名前を見つけたことから気付くデーターベースへの不審や不可解な数々の死。段々と忍び寄る危機と徐々に辿り着く真相とのバランスが絶妙なのに加え、取って置きは最後までお預けなのもたまらない!それにしても“マイコン”や“フロッピーディスク”、“トロイの木馬”などのワードに懐かしさを感じつつ、個人情報保護やコンピューターに牛耳られる危惧を30年前に取り上げるとは驚愕するばかり!一番の驚きは古川のパスワードだけど(笑)2017/11/22

セウテス

69
本作はサスペンス的な流れも相俟って、まるで映像を観ながら説明されている様に鮮烈だ。コンピューターでデータ管理をしている結婚相談所の、データ入力を担当している女性が主人公。ある日、データの改ざんが為されているのではと相談した同僚が、その後調査を続け殺害されてしまう。犯人は外部のハッカーなのか、周辺に居るのか管理部門に居るのか、それとも会社ぐるみなのか。ジリジリと迫ってくる様な感覚が、緊張感を生んで案外良い。伏線やミスリードもしっかりあり、推理できる範囲で纏めている。敢えてこの結末なのがミステリらしいと思う。2017/11/17

えみ

62
36年前のコンピュータの認知度とかプログラマの役割とか世間の評価とか。現在では当たり前の事も当時では最先端だったのだと。更に結婚に関しての考え方も一昔前…と思ったりしたけれど、案外今と同じなのかもしれないと感じたり。相違点や類似点を探すという別の楽しみ方で読書が出来た。物質的なものは日々進化していくけれど精神的なものはそう簡単に時が流れても変わらない。それが答えなのだろう。そして精神は時に対「人」で愚かになったり成長したりできるのだと、コンピュータが隠し暴いた事件から実感した。最後は人だ。良くも悪くも。2022/05/13

たぬ

41
☆4 話の進行や謎の解き明かしが急ぎすぎずスローすぎずでちょうど良かった。自らの美貌を悪用して大量殺人っておっそろしいな。しかし絵里子はなんであんなクズと付き合ってたんだろう。復縁したら興醒めだなあと思ってたけどそうはならなくてホッとした。36年前の作品だからちょいちょい懐かしワードが。「トロイの木馬」ってめっちゃ久々に聞いたわ。2022/11/11

ヨーコ・オクダ

34
ページめくる手が止まらず一気読み!結婚相談所に集められるとてもプライベートな情報。それを悪用するヤツは誰か?具体的にはどんな悪事やったのか?入り口は、結婚相談所のデータを扱う仕事をしている絵里子の日常生活。そこからテンポよく小さな事件が起こり出し、リンクして、殺人事件も発生。データの異変の謎を探っていた亡き同僚・古川のあとを引き継ぎ、絵里子は危険を顧みず、真相追及の道を突っ走る。ラストのさっぱりした感じが心地よい。絵里子の元カレ・輝雄をちょっとチャラいキャラに設定してあったからこそ為せるワザよねー。2019/12/21

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