出版社内容情報
森 博嗣[モリ ヒロシ]
著・文・その他
内容説明
「諸君が、一度でも私の名を呼べば、どんな密室からも抜け出してみせよう」いかなる状況からも奇跡の脱出を果たす天才奇術師・有里匠幻が衆人環視のショーの最中に殺された。しかも遺体は、霊柩車から消失。これは匠幻最後の脱出か?幾重にも重なる謎に秘められた真実を犀川・西之園の理系師弟が解明する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
470
奇数章しか存在しない本書。偶数章は次作『夏のレプリカ』で書かれる。つまり本書と次作は2作で1つの大きな物語を語っているのだろうか。このような趣向は海外ドラマで別のシリーズのキャラクターが登場し、各々の作品の話に影響を及ぼすクロスオーヴァーという趣向に似ているが、読後の今は次作の事件がさほど絡んでいないように感じたので、その是非は次作を読んでからにしたい。また犯人の動機は抽象的であり、また観念的であるのだが、私にとって理解できる動機だった。しかしいつも思うが事件解決まで時間掛かりすぎ!1月半は長すぎだ!2015/12/23
ehirano1
357
プロフェッショナルも行き着くところは狂気なのでしょうか。それともプロフェッショナルにはある種の狂気が内在されており、時として死を招く、いや敢えて死のそばに近づくことこそがプロフェッショナルなのでしょうか。森さんの作品では一貫して“死”というものを考えさせられます。2018/01/13
勇波
328
暴走機関車「西之園萌絵」の謎解きに今回こそは持っていくかー?と思いきや。。なんとなく何かが足りないとは思った。そこはやっぱり犀川先生が締めてくれました。先生の締めによって初めて匠幻イリュージョンが完成したと言えるんじゃないでしょうか?あと杜萌さんの方が気になるので早めに次へ行こう★2015/06/03
カメ吉
189
本当に面白い作品でした。テーマがマジックだったんで事件の全てが謎だらけでした。結末も意外で予想も出来ませんでした。 蓑沢杜萌という萌絵の親友の事件?って何の作品に記されてるのかきになります。2017/03/11
KAZOO
187
長編シリーズの第6作です。この作品と次の作品が比較的絡んでいくのでしょうね。なぜ章立てがこのようになっているのか最初は不思議の思います。話としては今までの理科系的なところから少し外れていくような気がしました。まあ楽しめます。2016/03/18