講談社+α新書
最後の国産旅客機YS‐11の悲劇

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  • サイズ 新書判/ページ数 234p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062720151
  • NDC分類 538.63
  • Cコード C0295

内容説明

いまから四十年も前に産・官・学が一体となり、広く国民から支持されてスタートしたYS11の事業だが、グローバル化がキーワードになっている現在から見れば、それは貧しくて経済力もなかった当時の日本が、いきなり“グローバルスタンダード”を獲得しようと挑んだドン・キホーテ的ともいえる試みだったのである。量産して世界十二カ国のエアラインにも輸出を果たしたが、大赤字を出し、「今後も改善の見込みはない」として生産は中止された。戦後最大の航空機プロジェクトで、「技術的には成功したが、経営的には失敗した」と一言でかたづけられたYS11の事業を振り返る時、そこには今日、学ぶべき負の教訓もいたるところに見いだすことができる。

目次

序章 巨大プロジェクトの教訓
第1章 夢と思惑を乗せた初飛行
第2章 「技術的には成功、経営的には失敗」
第3章 政治にふりまわされる宿命
第4章 「お役所仕事」の末路
第5章 「YS11」と「零戦」開発の思想
第6章 時代が生んだプロジェクト
第7章 エアラインが育てあげた名機
第8章 ハイテク機以上の信頼性の高さ
第9章 名機「YS11」は今日も飛ぶ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

37
堀越二郎氏がこの旅客機の製作に携わっていたことを知り、自分の無知を恥じた。エンジニアとしては、さぞかし無念な結末に終わったのではないだろうか。2015/05/11

富士さん

5
YS-11の何か問題で、何が成果だったのかがよくまとめられている良著でした。その本質は「サービス」をどう捉えるかだと思います。問題だらけだったこの飛行機を振り返って名機だと言わしめたのは、好意的なユーザーに対する対応の中で、部品の安定供給や整備しやすさなどの顧客サービスとして製品供給システムを完成させることができたからだということです。機体はサービスの一部であり、製品はシステム全体なのです。良いものを作れば評価されるというのはものづくりオナニズムにすぎないということが、最も重要な教訓だったのだと思います。2024/03/08

ぶんたん

0
飛行機とは関係ない立場だが、こんどの仕事はこういう状況下でおこなわれるだろう、と思って購入。叡智を集めてもうまくいなないことはある。2018/04/15

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