内容説明
小学四年生の芳雄の住む神降市で、連続して残酷で意味ありげな猫殺害事件が発生。芳雄は同級生と結成した探偵団で犯人捜しをはじめることにした。そんな時、転校してきたばかりのクラスメイト鈴木君に、「ぼくは神様なんだ。猫殺しの犯人も知っているよ。」と明かされる。大嘘つき?それとも何かのゲーム?数日後、芳雄たちは探偵団の本部として使っていた古い屋敷で死体を発見する。猫殺し犯がついに殺人を?芳雄は「神様」に真実を教えてほしいと頼むのだが…。
著者等紹介
麻耶雄嵩[マヤユタカ]
1969年三重県生まれ。京都大学工学部電気系学科卒。91年『翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件』(講談社)でデビュー。京大ミステリ研出身
原マスミ[ハラマスミ]
1955年生まれ。千葉県出身。1982年にレコードデビュー。ライブ活動のほか、テレビ番組・CMのナレーションなど多方面で活躍している。ミュージシャン・画家・声優
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
167
神様が登場するという、ほとんどミステリとして掟破りなストーリー。にもかかわらず、きちんとミステリとして成立させているところが、さすがに新本格の一翼をになった作者だけのことはある。さて、神の言葉はどこか分析哲学のようで、このネタ元はひょっとして永井哲学だろうか? 一貫して子どもの世界を描いているのに、残酷すぎて救いがない結末。これは大人の小説にしておきたいと思うのだが。2014/05/06
文庫フリーク@灯れ松明の火
166
先日読了した初の摩耶作品『隻眼の少女』レビューで「テーブル上に精緻なバランスで創った城を、テーブルクロスごとひっくり返す作品」と評したユーザーの方がいらした。この『神様ゲーム』は児童向けでもあるため、余計にぶち壊す余韻が強い。序盤の連続猟奇猫殺しはグロ以上に、退屈しのぎに降臨した小学四年の姿をした「神様・鈴木くん」を際立たせる。廃屋に手を入れ秘密基地とした浜田探偵団の5人。メンバー以外には場所すら教えない鉄の掟。その秘密基地・探偵団本部で親友の英樹が殺され、死体は裏庭の井戸に遺棄される。主人公のぼく→2013/12/07
ダイ@2019.11.2~一時休止
154
神様その1。神様の天誅は本当に信じられるものなのか?。面白かったが、ミステリーランドなのに読後感が悪いのがちょっと難点。2013/10/09
ひろちゃん
133
これは読みやすかったけど、いったいどういう小説なんだろう?明らかにすべての原因は僕は神様だとかいってる鈴木くんのような気がするけど、すべての謎ははっきりせぬまま……。鈴木くん何者?2015/11/17
かっぱねこ
121
小中学生が読んだら衝撃的な内容だと思う。もし好きな子がそうなったら? ごく身近な人がかかわっていたら? 同級生に神様がいたら? 大人が読むには物足りないけれど、ラストの解釈のしかたなど、想像力をかきたてられる作品。哲学的な解釈か、「その人」を犯人として再推理を試みるか? 読者をもてあそぶ作者のいじわるな微笑みが見える気がする。なんて人が悪い…2015/07/12