内容説明
個人的経験を超えた、人類に普遍的な無意識とは?「魂」の根源的(ラディカル)な自己実現の物語。
目次
プロローグ ユングと歴史
第1章 ファルスの夢と石―幼年時代
第2章 イニシエーションと神経症体験―学童時代
第3章 精神医学と現実性(リアリティー)
第4章 フロイト―人間関係・思想
第5章 精神的危機
第6章 分析心理学―自我と無意識の関係
第7章 異文化との出会いとナチズム
第8章 結合
第9章 錬金術と新しい心理学
第10章 ユングと死
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Uncle.Tom
21
本書はユングの一生を通しての彼の思想を追っかけていく形式になってます。ユングの生涯を参考にしながら思想を眺めていくと、かなり幼い頃から自分の内面に耳を傾けて成長していったのだということがわかります。そういう意味においてユングは、一貫した思想を持っていたとも言えるかもしれません。ユングに限らず、あらゆる人の思想というものは自らの生涯をかけて少しずつ形成されていくものなのだと感じます。日々の積み重ねにより思想が形成されていくからこそ、今後も日常的に思考することを大切にしていきたいです。2019/12/30
Shin
13
河合隼雄先生の著作を通じて、その「理論」については良く知っているつもりだったユング。でもこの本で主に取り上げられている後期ユングの「思想」については、ごく表面的なことしか知らなかったのだということが良くわかった。そこにはまさに「思想」としか形容できないユング独特の、根源的で幻想的な世界観と人間観が凝縮されている。世界の奥底から沸き上がってくるビジョンと同じ根っこを持って立ち現れ、揺れ動き、調和する「私」のあり方。人前で話すとそれこそ病院に連れて行かれそうな紙一重の思想。ユングは最高に魅力的な思想家だ。2012/08/11
shouyi.
4
池田晶子さんの本を読み、「私」とはユングの「魂」に近いと知りこの本を手にした。「魂」とは心ではない。むしろ私は魂の内に住んでいる。「心的現実がわれわれの直接経験できる唯一の現実」…まだまだ明確には捉えきれない。2019/09/14
ぬえ
1
神経症体験では、心的な出来事は、何か外的な出来事の結果として引き起こされたりする二次的なものではなく、それこそが第一の現実なのであるということを考える。フロイトに大きく影響を受けるが、ユングはリビドーを性的だけではなくて、心的エネルギー一般であるとみなしフロイトから離れていく。またユングは錬金術において特に結合について、死を結合と捉えている部分が印象的であった。2015/05/21
(ま)
0
集合的無意識と元型、アニマ、結合、錬金術・・・ ゲド戦記かエヴァかな...2019/05/02