ジンメル―生の形式

ジンメル―生の形式

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  • サイズ B6判/ページ数 301p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062659017
  • NDC分類 108
  • Cコード C0010

内容説明

都会・女性・貨幣・社会学現代思想の中心的問題群を伐り拓いた清新な思想。

目次

プロローグ ジンメルという哲学者がいた
第1章 ベルリンの哲学者
第2章 都市の哲学
第3章 両性具有者の女性論
第4章 時代の病理学
第5章 近代の感情装置
第6章 「哲学的文化」
第7章 生の形式
第8章 エッセーの思想
エピローグ ジンメルとともに思考は装飾となる

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Shin

11
図書館本。ジンメルのことは全く知らなかったけど、魅力的な哲学者だなと思った。ヘーゲルとハイデガーの間の、哲学をするには平和すぎる時代を生き、しだいにアカデミズムの中で硬直化しようとする思想・哲学にゲリラ的な挑戦を繰り返した華やかな知性。様々な意味でマージナルであり、ディレッタント的でもあるが、知性というものが思想や社会とどう関わり、どう貢献できる可能性があるのか、という本質的な意味を、カントやヘーゲルとは対極的な意味で「体現」した人なのだなという印象。2012/06/16

卯の花

1
哲学史も、概説書だと、単独の項目は割り当てられず、ディルタイと並べられて「生の哲学」の思想家、とか紹介されるくらいで、あまり重視されてない印象だが、本書を読むとその理由は良く分かる。体系的な学説の構築を目指した人でなく、雑多なテーマで、哲学的エッセイを、悪く言えば書き散らした感じの人なんですね。ただ、後代のベンヤミンの業績なども踏まえて振り返ると興味深いスタイルの思想家。また本書で紹介されているジンメルの思想傾向は、ポストモダニズムにも通じる印象もあり、一度原典に当たってみたいと思わせてくれた。

ああああ

1
社会とは、本質的に不均衡な組織化を行う一連の構造化であり、個人はそのなかで局所的に位置づけられる。ジンメルが後に「社会学』において、見事に分析したように、「社会空間」は、ひとつの位置をひとりが専有的に占めるような空間関係であり、したがって、運動の場ではなく、本質的に配分される空間である。 強烈な社会的な必要は、どんな値を払ってでも、その手下をつくりだしてくるからだ。社会の合目的性は、みずからが必要とする機関を養成してくるが、それは、個人の抵抗を外的につきくずすというかたちでだけでなく、個人の内面での抵抗2022/10/04

ぬえ

1
ユダヤ人として生き、反ユダヤ主義の犠牲者になりながらもドイツ人として生きようとしたジンメル。都市の哲学、女性論、貨幣の哲学、生の直観その他さまざまなことがあったが、印象的であったのは売春の問題である。売春、つまり「商品としての性」は女性的な問題であったが、性における経済性が時代の経済的性格をあばきだす。性関係という人間関係を「貨幣」はあざやかに始末する。この始末する、片をつけるということは金の魔術的な効用である。2015/05/14

えむ

0
ジンメルの生涯と思想を紹介。社会学史で学ぶジンメルとはまた違ったいくつかの側面から彼の思想にアプローチできた。2016/08/27

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