講談社文庫<br> ストレンジ・デイズ

講談社文庫
ストレンジ・デイズ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 393p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062649148
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

絶望から狂気へと向かっていた反町は深夜のコンビニで天才的な演技力をもつ巨大トラックのドライバー・ジュンコに出会う。ゆるぎない眼差しをもつ彼女は血管の中にサナダ虫のような等身大の異生体を宿しているという。そして、二人の奇妙な生活が始まった―。現代社会の病理を予見する村上龍の傑作長編。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こうすけ

21
人生に疲弊した男が、夜のコンビニで、サナダ虫を体内に宿しているという女と出会うところから始まる物語。ここまでは最高。こんな素晴らしい出会いの場面があるのか、と感激。しかし、女には天才的な演技力があり……というところから、女の演技力を利用して商売にする、有名作家にシナリオを書いてもらう、映画を撮る、など物語は定まらず迷走。作者自身が「天才的な演技力」という設定を受け入れられていないのでは。ある強大な力を持つ相手との、会話の心理戦を繰り広げる描写はいつもの村上龍節が効いていてぞくぞくする。2023/08/29

バズリクソンズ

12
各章ごとのタイトルが、往年の洋楽ロックファンにはたまらないタイトル。ホワイトライト ホワイトヒート、ヴードゥー チャイルド、ベガーズバンケット等。物語はそれとは無関係というわけではないが、多重人格?の女性に魅了された音楽プロモーターの話。興味あるタイトルがバックヤードにあるからこそのストーリーが際立ちますね。ロック、小説が両方好きな方に読んでもらいたい作品。2017/12/24

UME-SUN

6
なんかきらい2017/02/25

ノイス

6
本を開き、まずその文字の詰まりように圧倒される。村上さんの作品は初な為恒例のことなのかもしれないが、作品が醸し出す軽微な異常さ(ストレンジネス)と相俟って印象深かった。そしてその長い長い文章。全て読む必要は無い、読み飛ばしても良い、しかし最後まで読まさせられる。この作品の主張の大半を知りたければ、315ページを読めば済む。しかしそうではない。実のところ、それほど丁寧に描写されているわけでもない。『蠅の王』の足元にすら辿り着かない。でも、どの文も蛇足ではない。ここまで感じた上で、好きな筆致ではなかった。2016/03/04

林田力

5
物語として面白みを感じたのは後半の娘と夫を失い、神経性硬直症になった女性を癒していく話である。ここには酒やドラッグまみれの生活と比べて具体的な価値がある。アメリカに生活していた女性の義弟を口から日本社会論が話される。 「アメリカなんかだと、何ていうのかな、全部をていねいにきちんとはっきり言わなきゃいけないよね、でも、ほらこの国は違うじゃないか」(299頁)。日本的な腫れ物に触るような接し方が義姉を神経性硬直症にしたのではないかと反省させる。 2019/04/27

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