内容説明
宅配便の代名詞ともなったクロネコヤマトの“宅急便”。日本全国どこでも小口荷物を届ける、配送革命を成し遂げたヤマト運輸。その成功の秘密は何か。「初めにサービスありき」をモットーに、郵政省や運輸省の理不尽な横槍に抗し、各種の宅急便を開始。『小倉昌男・経営学』の真髄をドラマチックに描く経済小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
65
宅配便の代名詞ともなったクロネコヤマトの「宅急便」を 開発した 「小倉昌夫」を描いた高杉良の 文庫。「小倉 昌夫」という経営者が注目を集めている今 、その真髄がよく伝わってくる 良書である。郵政省や運輸省の 横槍に屈することなく筋を通したその 生き方は、アメリカの圧力に負けず、VTR訴訟を 勝ち取った 故ソニー盛田会長にも 通じるものがあり、 読んでいてすがすがしいものがある。2004/01/01
mattu
19
突き詰め方がジョブスと同じような気がします。本質をどこに置き、達成するために何をあうるのか?単純だが、売上、経費を考えると踏み切れない。さらに政治のしがらみもある。打破していったのは、本質のためにどこまでできるかなんでしょうね。2021/06/16
メタボン
10
☆☆☆☆ 今でこそ当たり前になった宅配便だが、ヤマト運輸の事業転換は画期的だったということがわかった。そしてクール宅急便の登場こそ「流通革命」だったのだ。まさしく企業ドラマであり面白かった。クロネコヤマトの生みの親、ヤマトの社員であり俳人の斉藤砂上のエピソードも面白かった。2014/01/28
所沢
7
経営の以下の基本的考えは現在でもあてはまると感じた。 顧客ニーズに対応したサービス、システムと完成された作業体制確立、全員経営、人間性に満ちた企業活動2016/06/23
Ryuji
7
★★★★☆今では当たり前の宅配便。これを日本で初めて始めたヤマト運輸の創業からの小説。個配と言えば郵便局の小包しかなった時代、ノウハウも無くさらに採算が合うかどうかも分からない、社内ですら反対があったにも関わらず事業に踏み切った社長の決断力が凄い。事業が軌道に乗ってからは「信書」をめぐる郵政省との対立(信書については個人的には法改正すべきと思います)、路線認可をめぐっての運輸省との対立など読み所が多々。それにしてもゆうパックって昔と比べてサービス良くなりましたね、これもクロネコとの競争の結果なのでしょう。2013/09/10
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- 和書
- 大往生の島 文春文庫