出版社内容情報
森 博嗣[モリ ヒロシ]
著・文・その他
内容説明
50年前、日本画家・香山風采は息子・林水に家宝「天地の瓢」と「無我の匣」を残して密室の中で謎の死をとげた。不思議な言い伝えのある家宝と風采の死の秘密は、現在にいたるまで誰にも解かれていない。そして今度は、林水が死体となって発見された。二つの死と家宝の謎に人気の犀川・西之園コンビが迫る。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
595
壺と箱に纏わるトリックは本書を読んだ時にはピンとこなかったが(特に壺の方)、ドラマを観たことで納得がいった。しかし何と云っても本書が凄いのはその題名。邦題の『封印再度』は過去の密室事件が現代に起こる意味と壺の中から取り出された鍵とそれによって開けられた箱は再び封印されたという二重の意味があり、更には英題の“Who Inside”は橋の下で死体となって発見された林水の部屋に誰がいたのかと謎の核心をついている。同じ発音ながら意味は違えどどちらも物語の本質をついているまさに見事な題名。言葉の魔術師だ、森氏は。2015/06/20
抹茶モナカ
326
意味無しジョークとニコチン補充で間を整えながら、密室の謎解きをする理系ミステリー。あまり理系していないかな、この本は。会話に味があるのだけど、わからない所もあった。サクサク読めるのが、良い。2014/10/25
勇波
324
はいS&Mの5作目です。ドラマやってたそうですが全く見てません。犀川先生のハイセンスな意味なしジョークや萌絵様の二階堂蘭子に匹敵する女王感は活字の中でこそ生きて来るような気がします。。物語は期待通り犀川先生の思考にうっとりするような内容になっとります。(途中女王様に爆弾しかけられたけど…)そしてついに瀬戸千衣登場!この人って確か…だよね。最後は国枝助手が締めてくれて自分的には拍手喝采★2015/04/03
ehirano1
313
再読。登録および感想を書き忘れていました(汗)。犀川先生と萌絵の距離感が本書の醍醐味ですね。いつもの哲学的な箇所がすくなかったのが個人的に少々残念ですが、本書は恋愛を前面に出しているので哲学は無用、といったところでしょうか・・・。2017/12/09
ハッシー
262
【『密室』という幻想】S&Mシリーズ5冊目。森博嗣の変幻自在な「密室トリック」を見せてくれる。英語と日本語で掛けたタイトルの『WHO INSIDE/封印再度』は読み終わった後に意味がわかる。内にいたのは誰か?何が封印されたのか?とてもよくできた掛詞だった。2016/09/28