講談社文庫

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  • サイズ 文庫判/ページ数 318p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062646413
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

私は、どこへ行けばいいんだろう。高校三年生の麻里子は、進学や友人関係など変わりゆく周囲にとまどう。そんな彼女のまわりで起きた毒入りジュース事件。事件に関わる少年が自分と同じ聴覚障害を持つと知り麻里子は…。思春期の少女の微妙な心模様と家族の愛情を描いた、『鍵』に続く傑作青春ミステリー。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おしゃべりメガネ

168
『鍵』の続編ですが、前作ももちろん秀作ではありましたが、今作はよりいっそう仕上がりが素晴らしかったです。聾唖の主人公「麻里子」と兄「俊太郎」がそれぞれ人間的にとても成長しており、前作のようなお互いにジメジメした感じがほとんどなく、スッキリ読むことができました。‘事件’自体は大きな波はないものの、飽きさせることなく展開し、前作同様「有作」さんもいい味だしてます。トリックとしては珍しくはないものの、ストンとおさまる感じはさすがでした。聾唖者の‘苦労&苦悩’もしっかり書かれているので、素敵なドラマでした。2014/03/29

Tsuyoshi

61
「鍵」の続編。今回は俊太郎ではなく、聴覚障害を持つ妹・麻里子をメインに事件と揺れ動く麻里子の心情が同時に描かれていた。殺人事件の被害者はてっきり俊太郎と思わせてしまう筋の書き方はさすがですっかり騙されてしまった。麻里子と事件の犯人・恩、事件を通して知り合った聴覚障害を持つ直久。三者三様の心理描写を通して、他人と違うことは恥じる事でも塞ぎこむ様なものではなく、自分の殻にこもるより心の窓を開けた方が道は開けるんだなぁと強く思わせてくれた。2017/10/11

tengen

56
「鍵」の続編。 耳に障害を持つ麻里子は大学受験でも障害の壁に悩み、有作や雅美の一言ひと言に過敏になる。 そんなある日、毒入ジュースによる殺人未遂事件が発生する。 第1容疑者はその店でアルバイトする青年で耳が聞こえないと言う。 疑いが晴れた青年直久だが、健常者を敵視する。 障害者と健常者の壁。 心の窓のありようで人生が変わる。 ☆彡 猟奇殺人事件の犯人の生い立ち、決して不幸な家庭に生まれたわけでも無いのに紙一重で人生が狂う。 幸福な朝食の主人公を思い出しました。 叙述的な引っ掛けもあり、面白かったです。2015/04/06

choco

50
明けましておめでとうございます。年末年始にかけて、乃南アサ本を読み漁っています。 鍵に続き、窓。このシリーズなかなか面白い。聴覚障害の妹、麻里子の成長が微笑ましく近所のおばちゃん感覚でスラスラと読めてしまいます。2018/01/03

Qちゃん

47
『鍵』の続編。前作を読まなくても楽しめます。聴覚障害のある麻里子の視点で、色々な葛藤や思春期ならではの成長する姿が、よく描かれている。【遠回りした生き方は、色んな景色が見えるって】【色んな景色を見る為にはさ、窓を広げておかないとな】本当、そう思う。2018/01/23

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