内容説明
「右手を見せてくれ」。スーパーで万引犯を捕捉する女性保安士・八木薔子のもとを訪れた刑事が尋ねる。3年前に別れた不倫相手の妻が殺害されたのだ。夫の不貞相手として多額の慰謝料をむしり取られた彼女にかかった殺人容疑。彼女の腕にある傷痕は何を意味するのか!?第42回江戸川乱歩賞受賞の本格長編推理。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
177
今から20年以上前に江戸川乱歩賞を受賞した作品で初読み作家さんです。さすがに20年以上前の作品なので、スマホは勿論携帯電話もそれほど使われてなく、公衆電話のテレカが出てくる描写に思わずニヤリと。主人公はスーパーで万引犯を捕捉する女性保安士「八木」さんで、この方がまたなかなか魅力的なキャラでした。刑事や探偵顔負けのタフな行動力にすっかり魅了されてしまいます。3年前の不倫相手の妻が殺害されたコトから始まるミステリーは、乱歩賞らしく読みやすくもあり、次々と先が気になり、どんどん頁を捲るのに夢中になれる作品です。2018/12/09
青乃108号
133
江戸川乱歩賞受賞作品。かつての不倫が原因でキャリアを追われ、大手スーパーで保安士(いわゆる万引きGメン)として働く八木薔子。不倫相手だった男の妻が自宅マンションで殺害され、現場には「みぎ手」というダイイングメッセージが残されており、右手に古傷を持つ薔子は警察からの追求を受ける。薔子は真犯人を見つけんと、仕事の傍ら独自で調査をはじめるが…。1996年作品だった。道理で携帯も出て来ないし、警察でもない薔子に個人情報ダダもれだし。しかしながら読ませる小説ではあった。「みぎ手」の意味が知れた時、薔子は絶体絶命の。2023/10/05
はつばあば
51
残念ながら女友達が少なそう。それに万引き捕獲?に命をかけてそうでイマイチ・・プラス、フリンはもう目も当てられない。いやいや爺様にフリンされたとかないですがね(嫁の私が怖かったのか(^^;。)思いもかけない殺人事件の容疑者に指名されたらパニクってしまうのに犯人捜しをする薔子さん。名は体を表す。美しい薔薇には棘がありますもの。?あまり好みではなかったのです。ゴメンナサイ(^^;。2019/01/30
ジンベエ親分
48
渡辺容子初読み。お、面白いぞ、これ。3年前に不倫が発覚して相手の妻から慰謝料も要求され、キャリアを失って現在は保安士(要するに万引きGメン)をしている八木薔子の一人称視点。その不倫相手の妻が殺されて警察から疑われたことがきっかけで、事件を調べ始める。20年以上前の作品なので、携帯電話を持っている人物が少なかったり個人情報の取り扱いがずいぶん大らかだったりと、現代の感覚で読むと違和感を感じる部分は多々ある。が、ハードボイルドで陰々滅々とした話の割に暗くなりすぎない文体は好み。シリーズらしいので続編も読もう。2019/01/19
ゆめ
30
★★★ミステリー感はあり一気読み。殺人の動機があまり感じられず そのあたりから方向性を失いかけた。2015/10/12