出版社内容情報
映画化決定！
内容説明
永田町の地下鉄駅の階段を上がると、そこは三十年前の風景。ワンマンな父に反発し自殺した兄が現れた。さらに満州に出征する父を目撃し、また戦後闇市で精力的に商いに励む父に出会う。だが封印された“過去”に行ったため…。思わず涙がこぼれ落ちる感動の浅田ワールド。吉川英治文学新人賞に輝く名作。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
三代目 びあだいまおう
322
ほぼ毎日乗っている地下鉄。東京の地下は縦横無尽のアリの巣のようになっているのではないかと。そんな地下鉄にも『最初』はある。本作は主人公が地下鉄に乗ると昭和の初めと現代を行き来するタイムスリップ物。世にいう成功者である父親と反発し合う主人公。独りよがりな男が過去で自分にまつわる様々な人達と出会う。自分のルーツを見せつけられる！操る意図と目的は何なのか。過去を見せて何を伝えたいのか！現代の我々には想像が及ばない、あの時代の苦しさ、ひもじさ、選択肢の無さ！メトロが繋ぐ想いの連鎖！読後は切なさが強烈に残る‼️🙇2020/12/12
HIRO1970
285
⭐️⭐️⭐️浅田さんはまだ３作品目ですが、今までに引き続き今作品も外れないどころか、もの凄く面白くて正直驚きました。安定して描き出す力のあるなかなか出会えない超一流の作家さんだと、今回完全な確信に至りました。これからはロックオンして浅田さんの作品を徐々に制覇していきたいと思います。2014/06/18
mae.dat
251
『地下鉄（メトロ）に乗って』と、言うタイトルとは裏腹に、あんましメトロ感は無かった様に思えました。メトロ感とは。都内を周遊したりするお話しなんかを期待していたの。そしたらなんとタイムスリップもの。それも唐突だからさ、特に準備のない最初の方は、今何処にいるのかとかを見失いがちになりましたよ。でもラストに向けての急展開と設定。そして落ちはおおおぉってなりました。しかし、状況をよく瞬時に理解出来ましたね(^_^A;)。それに、タイムスリップの整合性もぐらついている様に思えて(｡•́ - •̀｡)。にいちゃん。2022/10/25
射手座の天使あきちゃん
137
時を超えて… せつない物語です2007/03/24
Willie the Wildcat
135
タイムマシン。机の引き出しではなく地下鉄。過去を振り返ることが幸せかどうか。主人公のように「意味」があったとしても悩ましい。親子、家族間の絡み合った糸をほぐすところは身近に感じる点もあるが、恋人（みち子）との糸は複雑。過去を変えないことで失うことと、過去を変えることで失うこと・・・。時代背景の影響もあるが男の我儘とその影響による悲しみ・切なさが印象に残る。2012/01/21
