講談社文庫<br> 江戸忍法帖―山田風太郎忍法帖〈8〉

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講談社文庫
江戸忍法帖―山田風太郎忍法帖〈8〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 402p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062645768
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

徳川五代将軍綱吉には世継ぎがなく、大老格として幕閣に権勢をふるう柳沢出羽守は秘かに画策するところがあった。将軍家正統の血をうけながら、足柄山中に育った葵悠太郎の出現は、柳沢を驚倒させた。前将軍の隠し子を抹殺せよとの厳命をうけた甲賀七忍。柳沢の養女鮎姫を巻き込んだ、忍法と正剣の対決。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

星落秋風五丈原

22
前作『甲賀忍法帖』より時代は進み、舞台は徳川五大将軍綱吉の治世の江戸。忍法帖シリーズ第二作といっても、時代小説の枠組みに入れ込んだ、随分と健全な忍法帖になっていた。自身に対する全ての欲に対して全く執着がない主人公・悠太郎は、自らもコメントしているように、足柄の山奥で育った金太郎だ。『ノーブレス・オブリージ』という意識も、ないらしい。家来3人を甲賀七忍の秘術に討たれても泰然としていた。そんな彼が動くのは、仇討ちの逸話を持つ曲芸『角兵衛獅子』で生計を立てる、幼き少年の死。 2003/10/14

きょちょ

20
綱吉の時代。4代将軍のご落胤がいることがわかり、野心を持つ柳沢吉保が彼の暗殺を甲賀忍者に命ずる。 一見地味な話だけれど、そこは山田風太郎。 ご落胤である主人公、葵悠太郎の仲間たちが忍者たちにいきなりあっさり殺されてしまう(しかもけなげな子供まで)のには驚き。 この忍者たちの忍法が、「甲賀忍法帖」に匹敵するほど実に面白い。特に、「忍法陽炎乱し」と「忍法空蝉」。 また、登場する女性3人、特に吉保の養女鮎姫が、ありきたりなんだけれど良い感じ。 最後の終わり方も爽やか。 ★★★★2016/11/12

ヨーイチ

18
解説によると忍法帖としては二作目らしい。作者の年齢とか発表年の時代背景とかは割と気にする方。あと連載の場合はその媒体も。こういうのは齢を重ねた者の特権なのかも。まだ60前なので大したことは無いのだが。週刊漫画サンデー創刊号からと言うのは、覚えておいてもいい。確かに山田風太郎らしくない点でB級以下(コレは作者の採点)なのかもしれない。主人公が明るく爽やか、二枚目なのには驚かされる。二人の美女に惚れられるのもお約束。この感じは当時隆盛の時代劇映画みたい。絶対映画化されていると見た。調べてないけど。続く2014/12/29

ist

15
前作甲賀忍法帖では、伊賀と甲賀の敵対勢力同士の忍者対決、という超能力バトルロイヤルという流れであったが、剣士葵悠太郎が年端もいかない少年の仇をうつために敵忍者を倒していく、という胸熱な展開。色事や自身の権力には興味なく、ただ仇を討ちたいという悠太郎が爽やかすぎる。山田氏自身はこの作品をB級以下と切り捨てるが、ひとたびページをめくるともう最後まで一息に読ませてしまう、筆力はさすが。鮎姫とお縫の恋敵でありながら、悠太郎を守るという共通目的のため徐々に友情を育んでいくのが良い。2014/11/05

タツ フカガワ

9
徳川五代将軍綱吉の治世、側用人柳沢吉保は前の将軍家綱に葵悠太郎というご落胤があることを知る。次代将軍で密謀を抱く吉保は、凄腕の甲賀忍者七人に悠太郎の暗殺を指令する。悠太郎VS忍法「むささび落とし」「肉鎧」「ながれ星」などに、今回も頭がくらくら。終盤の小塚原での凄まじい死闘と、その後の結末に、思わず「うまいなあ」と楽しみました。2017/07/18

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