講談社文庫<br> 新地橋―深川澪通り木戸番小屋

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講談社文庫
新地橋―深川澪通り木戸番小屋

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  • サイズ 文庫判/ページ数 263p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062638821
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

江戸・深川澪通りの木戸番小屋に住まう夫婦、笑兵衛とお捨。そこには、人々の悲しみ、愁いを癒してくれる灯がある。訪れる人の心の奥を、そっと照らしてくれる。労り、助け合う市井の人情。人の世の機微を穿った逸品揃い。思わず挫けそうな、いつの間にか冷めかけた心を優しく温めてくれる珠玉の時代小説集。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぶんこ

44
笑兵衛とお捨夫婦のシリーズ3作目との事ですが、初めて読みました。 面白かったです。 お捨さんの笑い声とふくよかな体つきがほほえましい。 いつもは大きな声、音を出す人が苦手で、物語の中でも苦手なので、最初のうちはお捨さんの笑い声、これがなければ・・と思っていました。 それが話が進むうちに、この笑い声が周囲の人々にとって救いになっているのだろうと気付きました。 見返りを求めない、相手がどんなに僻みっぽい人、愚痴っぽい人、困った時だけ現れる人でも、差別しないで手を差し伸べるご夫婦に、ひきつけられました。2015/05/15

tengen

38
木戸番小屋3☆彡喧嘩三昧の政吉はいっぱしの狂歌師になるのだが。☆妻子のある男と腐れ縁のお若は将来に不安と孤独を感じるのであった。☆島流しになった男を思い続けるおひでだが。☆信じた者に裏切られた左官の惣七は文無しで中島町に辿り着いた。☆苦労してようやく商売を始めたおしんとおみね姉妹の前にいかがわしい色男が現れた。☆取っつきにくい頑固じじいの浜吉が酔って大怪我をするが身内が解らない。☆優しい豊松の父は正義の武士だった?☆器用な藤松と不器用な伊与吉の人生。☆彡新地橋/うまい酒/深川育ち/鬼の霍乱/親思い/十八年2019/08/20

ドナルド@灯れ松明の火

24
初北原亜以子さん。深川の木戸番小屋の人の好い中年夫婦を巡る人情味あふるる短編集。お捨の性格が良い。いかにもありそうな癖のある近所の住人たちのエピソードがうまく描かれている。意外にハッピーエンドが少なく厳しい江戸の庶民の生活がリアルに描かれていた。気に入ったのでこのシリーズを読んでみよう。2013/08/29

ケイプ

18
木戸番小屋シリーズの三作目です。暮らしていくってそう言う事なのかもしれないなぁ、そう思えたお話でした。人がいれば周りにはいろんな事が起こります。それが全てまるく収まり解決するだけじゃないものね。みんな誰も幸せとそして不幸を少しずつ持っているんだもの。今回は熱を出したお捨てに笑兵衛が言った言葉『熱なんざ、やたらに出すな』にグッときました。 2014/05/04

はつばあば

12
下町の人情が凝縮されている。運、不運、騙し騙され、男と女。お捨さんの「鬼の霍乱」で笑兵衛さんの気持ちが手に取るようにわかる。と同時に浜吉のなんとも言えない僻みっぽさも。いずれ私も爺様との別れが来るだろう。15年以上前、父が言った「どんなことをしても婿さんには長生きしてもらえ。後家になるとお前が僻みっぽくなると困るから」と。お捨さんのようにコロコロと笑わず、奥ゆかしさとは縁のないガハハと大きな声の婆に、お捨さんが男になったような爺様。いつまでも仲良く暮らしていきたい。2014/02/05

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