出版社内容情報
宮城谷 昌光[ミヤギタニ マサミツ]
著・文・その他
内容説明
成長した田文を孫〓に託して、白圭は周へ移った。師の孫〓に導かれて、仁の資質、信の確かさを増す田文。「わたしは文どのに広い天地と豊かな春秋をあたえたい」―。遂に孫〓は田文を実父田嬰に引き合わせ、田文は貴人の家の子にもどった。全土に秦・魏・楚が屹立する中、斉王は孫〓を軍師に決定した。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
75
1、2巻の白圭の部から、ようやく本来の主人公孟嘗君(田文)の物語に。白圭が田文を孫臏に託したことで田文の出自が斉でも明らかになる。桂陵の戦い、馬陵の戦いと、歴史的にめ有名な戦が続き、孫臏の活躍がえがかれているが、そばにつかえる田文の将来が垣間見えるような言動も心に残る。2021/04/07
KAZOO
64
この巻はのちの孟嘗君がやっと出てきます。養父は商人としての道に徹することになります。孫ぴんに教えを受けた田文は、本当の父親に会い実家に戻ることになります。この巻はどちらかというと孫ぴんが主役のような感じで、軍師としての才能を見せつけられてくれます。2015/04/18
とも
46
登場人物の相関図が混み入り出してきて、何度か頁を読み返しながら読了。 白圭、孫臏、田文を中心に、脇を固める田嬰、田忌、青欄や旼林らの女性陣もそれぞれが魅力的。 相変わらず面白いので続いて4巻に突入。これは再読したら尚面白そう。2017/05/01
明智紫苑
43
本来の主人公が前面に出てきた。しかし、基本的にはやはり(贅沢な)群像劇だ。しかし、前半の実質的な主人公である白圭一人だけを主役としても十分面白い話になりそうなんだな。要するに、宮城谷版田文には白圭ほどの魅力はないという本末転倒があるのだ。まあ、『楽毅』や『青雲はるかに』のように主人公に対するえこひいきが露骨にあるのも嫌だけどね。2018/05/09
佐島楓
36
成長していく田文は、自らの出生を知っていた。いくさの世の中で、彼は、そして白圭は、生き残ることができるか? 四巻へ。2015/02/16