講談社文庫<br> ワイルド・スワン〈中〉

講談社文庫
ワイルド・スワン〈中〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 332p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062638135
  • NDC分類 936
  • Cコード C0136

内容説明

革命後の動揺がおさまらない中国で毛沢東は共産党員の過去をさぐる。国民党との関係で嫌疑をかけられる母。著者たち兄弟は保育施設に送られてしまう。想像を絶する迫害の日々―ついに逮捕された父は精神に異常をきたす。なんとしても夫を救いたい!母は周恩来首相に直訴すべく、北京行きの列車に乗る。

目次

第10章 「苦難が、君を本物の党員にする」―母にかけられた嫌疑(一九五三年~一九五六年)
第11章 「反右以降、口を開く者なし」―沈黙する中国(一九五六年~一九五八年)
第12章 「米がなくても飯は炊ける」―大飢饉(一九五八年~一九六二年)
第13章 「だいじなだいじなお嬢ちゃん」―特権という名の繭の中で(一九五八年~一九六五年)
第14章 「父よりも、母よりも、毛主席が好きです」―毛沢東崇拝(一九六四年~一九六五年)
第15章 「まず破壊せよ、建設はそこから生まれる」―文化大革命はじまる(一九六五年~一九六六年)
第16章 「天をおそれず、地をおそれず」―毛主席の紅衛兵(一九六六年六月~八月)
第17章 「子供たちを『黒五類』にするのですか?」―両親のジレンマ(一九六六年八月~十月)
第18章 「すばらしいニュース」―北京巡礼(一九六六年十月~十二月)
第19章 「罪を加へんと欲するに、何ぞ辞無きを患へんや」―迫害される両親(一九六六年十二月~一九六七年)
第20章 「魂は売らない」―父の逮捕(一九六七年~一九六八年)

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ehirano1

91
ヒロインの父が壊れていく過程が只々怖いです。絶望の破壊力をまざまざと見せつけられた感があります。2022/09/25

空猫

54
中巻は主に毛沢東の恐怖政治。史上最悪の人災、大飢饉の死者は、分かっているだけで3000万人!!そこに反分子として処刑されたり過酷な労働や拷問で廃人同然になったり、殺されたも同然の人々を加えたら…(゚Д゚;)!トップが自分の面子、権力ばかりにこだわるのは最悪だ。国民を一枚岩にし、階級によって差別し、自分のみを崇拝させ(何処かの新興宗教団体みたいだ)、反抗者は密告させ、しかも平和に退屈し自分の争い好きの為に争いを(子供たちを巻き込み)起こしたのだ 。差別は線を引くことで生まれる。エグられながら下巻へ 2021/09/17

ころりんぱ

44
狂っている。その一言。毛沢東って、一体何がしたかったんだろう。想像を絶する凄惨さ。文化大革命の嵐は子どもまで巻き込んで、暴力に継ぐ暴力、人が人を陥れ、蹂躙して行く。恐怖政治には信念もなければ良心もないのか?これが現実に起きた出来事、著者の生きてきた中国なのか…と、ただただ恐ろしく、衝撃的です。人間はここまで人間らしらを無くせるのか。私怨で他人を陥れ、私怨で人を痛めつける。この残虐性もまた、人間らしさというのか。わからない。2014/02/24

wiki

41
非常に申し訳ないが、はやく終わってくれと思いながら非常に重たい一頁一頁をめくった。こんな苦しい本があるのか。しかも単なる小説ではなく、ノンフィクションであるというのだ。狂乱の世界は現実にあったのだ、つい半世紀を過ぎた程度の現代史の一側面なのだ。過度に感傷的にならず、事実と個人の見た真実を書き連ねているだけでも、これだけの苦しさがある。とてもではないが、この悲惨を理解しきることなどできない。こんな辛い経験を、よく書き残してくれたと思う。「多大な犠牲を払って得た現在の平和」の価値が苦しく胸に迫る。2020/05/25

chimako

31
ハードカバーで読了。感想は下巻で。2014/03/20

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