内容説明
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす―。熊野、住吉を訪ねて、重盛の栄華の中の空しさを、宇治、富士に維盛の運命を、宮島、屋島、そして大原に、流転の王妃建礼門院の悲しみを知る。琵琶法師に導かれて、日本人の心を訪ねよう。
目次
序章 私と『平家物語』
重盛を辿る―栄華の中の諸行無常(たけき者の滅び;重盛のプロフィール;熊野の翳;生と死をみつめる瞳 法楽寺にて ほか)
維盛を辿る―運命の大河のほとりで(父を失った公達;維盛出陣;屈辱の逃走;逃避の末の決意 ほか)