内容説明
鉄道と時刻表をこよなく愛する著者が列車を乗り継ぎ、みずからの足で、平安鎌倉五百四十年の史跡を訪ね歩く。平安京の見はらし、将門の首塚、奥州平泉の黄金、鎌倉切通し、草戸千軒遺構、楠木正成ゆかりの千早城。時刻表と地図を手に、歴史の舞台を各駅停車でたどる人気エッセイ。「日本通史の旅」第二弾。
目次
桓武天皇と渡来人
坂上田村麻呂をさぐる
平安京の設計
最澄と空海
嵯峨天皇から菅原道真まで
平将門の風土
貴族海賊藤原純友
葵祭・六波羅蜜寺・鳳凰堂
京の葬送地めぐり
前九年の役を行く〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
レアル
43
宮脇氏紀行第2弾。今度は平安と鎌倉。高橋克彦氏の蝦夷物語を以前読んだためか、前九年・後三年の役、そして平泉という都が読んでいて懐かしい。そして平家、頼朝、義経と前巻の古代と違い華やかな歴史上登場人物がここに登場。この時代の歴史を読んでいても面白い&紀行文は読むと行きたくなる。2018/12/17
nakmas
10
いやー読む速度が上がらなかった。。 後書きで知ったのは、著者が自分で「自分は原稿を書くのが遅い」と。 プロの編集者なので、常人よりに比べれば速いのだろうけど、そんなところに関係があるのかな。。 でも、一文ごとの話題はおもしろかった。 親の言うことを聞かないと「兵隊さんの靴の臭いをかがす」と言われた時代があったらしい。。それほどのものだったのか。2022/01/09
スミノフ
9
本を読むだけではわからない、歴史の「手触り」を求めて各出来事の現場を訪れる紀行文。特に、前九年の役や後三年の役、奥州藤原氏に絡んだ東北への旅が印象に残ります。道中の「山が青く輝いている」という新幹線車中の書き起こしからして、旅心を誘われます。平泉の衣川、実際に行ってみたいなあ。2006/04/25
アメヲトコ
6
「日本通史の旅」続編で、桓武天皇の登場から鎌倉幕府滅亡までの歴史の舞台を時代順に訪ねていきます(連載は90年~94年)。西へ東への強行軍の大移動で、京都に何遍も行くことになったのは東京住まいの筆者には大変だったろうなと思います。相変わらず簡潔な歴史解説と紀行のバランスがよく、個人的には藤原純友の拠点であった日振島の旅が非常に印象的。ここはいつか行ってみたい。2021/06/09
さっと
5
「日本通史の旅」第二弾。平安・鎌倉時代の史跡めぐり。古代史紀行よりも人間臭さが増し、難解で複雑でない事件などないものの、説明しきれないところ、わからないとこのろは割り切り、あれもこれも詰め込む冗長で自己満の世界の歴史紀行とは一線を画す一冊。2017/11/04