講談社文庫<br> 新トロイア物語

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講談社文庫
新トロイア物語

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  • サイズ 文庫判/ページ数 697p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784062636582
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

絶世の美女ヘレネと王子パリスが駆け落ちした。ヘレネを略奪した者は、求婚した者全員から報復を受ける。ユニークな「テュンダレオスの掟」が、古代ギリシアに予期せぬ大戦争を巻きおこした。名高い「トロイアの木馬」は真実だったのか。壮大な叙事詩の世界に挑んだ歴史小説。吉川英治文学賞受賞。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ehirano1

84
20代の頃の愛読書。改めて今一度再読。齢を重ねてもやっぱり最高。古のエーゲ海に思いを馳せ、古代の一大ロマンを味わえる読書(=代理経験)に感無量。よろしければ是非!2024/01/07

はたっぴ

82
阿刀田さん二冊目。前作において『ギリシア神話の数多の物語の中で一番広く愛好され、後世に大きな影響を与えたものと言えば、やはり〝トロイア戦争の伝説〟を挙げなければなるまい。』という発言を目にしたが、著者の渾身の作品なのだろう。迫力のあるアイネイアス伝説として読者を惹きつける。神話的な部分も含めて、その捉え方は著者独自のものであると後書きにも記されているが、三千年以上も昔の異国の物語が胸を打つのは、今もなお世界各地の戦闘地域で流されている血や涙を連想させるからだ。文明の発達した現代にも通じる悲話である。2018/06/29

KAZOO

72
阿刀田さんの大長編「獅子王アレクサンドロス」に引き続いての物語です。ホメロスの「イリヤッド」など、あるいは映画の「トロイ」を思い出させてくれました。昔の古典を読むのは結構大変ですが、この阿刀田さんの文章を読んでいくだけでこの昔の物語を理解できるのはありがたいことです。吉川英治文学賞を受賞したのも当然という気がします。2015/07/13

姉勤

48
古代エーゲ海をシアターとして、神話を人間の物語に。ギリシャ人諸国に囲まれつつ、強国を誇ったトロイア。その王家の眷属に生まれた銀髪の少年、アイネイアスの一生と「トロイの木馬」で知られるトロイアの滅亡と、再興を綴った長編大作。「イリアス」「オデッセイア」「アエネイス」の、ギリシア叙事詩をベースにした物語も面白いが、まず感じる海の色彩、明媚な丘、そして美しい女性たち。栄えては滅び、ふたたび興る。人種を超えた人間の長き旅、想いを馳せるオデッセイ。2019/01/29

さっとる◎

41
【大長編祭】壮大。神々が飛翔するギリシア神話の世界を、アイネイアス(母は美の女神アフロディーテ)をヒーローに日本人の物語として再構築する。荒業で、それがきまってて、わかりやすく面白い。自然の脅威や人間が賜った知恵、戦争…そんな理解の及ばない世界を神々とともに受け入れてきた人々。彼らと半神の伝説上の英雄の、人間としての物語がリアルに描かれる。思惑が交差する。欲望に忠実。熱情に立場を忘れる。誇りを持って戦う。思いやりに優しさ、愛とは。祖国を失いそれでも希望を捨てない。生きること、がつまった読み応え十分な1冊。2017/01/12

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