出版社内容情報
東野 圭吾[ヒガシノ ケイゴ]
著・文・その他
内容説明
「光にメロディがあるの?」「あるさ。みんな、そのことに気づいていないだけさ」。“光”を“演奏”することでメッセージを発信する天才高校生・光瑠。彼の「光楽」に、感応し集う若者たち。しかし、その力の大きさを知った大人たちの魔の手が忍び寄る。新次元コミュニケーションをめぐる傑作長編ミステリ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
407
超能力を有した少年、あるいは進化した(もしくは潜在的な能力に目覚めた)少年の物語。東野圭吾らしいサスペンス性は備えているが、やや異質なミステリー。作家の着想は案外「新人類」なる言葉が用いられた頃に、そこからプロットを展開していったのかも知れない。進化の系統樹を前にした時、その頂点に立つ人間を見て、誰しもがふと疑問に思ったことがあるのではないだろうか。ほんとうにここが進化の終わりなのかと。すなわち、人類を凌駕する存在がこれから誕生するのではないかと。東野もそう考えたのだろうが、彼はなかなかに慎重でもあった⇒2024/04/18
Tetchy
271
何といっても光楽という光と音楽を絡めた芸術と主人公白河光瑠の造形に尽きる。光楽が人を魅了していく過程とその真の目的が遺跡などに表現されている事象に結びついていくことは面白い。そして天才児白河光瑠の全てを達観している姿勢と視座。全てをあるがままに受け入れ、自分が犠牲になり踏み台になっても構わないと思うキャラクターは正に天才だ。しかしこれだけ読ませる物語を書きながら、最後が唐突終わってしまうのが勿体無い。これ以上書くことは蛇足だとする潔さも感じるが、やはりいい作品だっただけにもっと余韻がほしかった。2011/04/29
Kircheis
241
★★☆☆☆ 東野氏は天才を描くのがうまい! ストーリー世界では登場人物達が天才『光瑠』に魅了されていき、現実世界では天才『東野圭吾』に読者達が魅了される。 ただ光楽という概念が個人的にしっくりこなかった。単純にクリスマスのネオンみたいな物なら綺麗だけど、それにメッセージ性が付加されているってどんなの? あと、光瑠を爆死させようとした団体と捕えて研究しようとした団体は一緒のはずだけど足並みが揃ってない(^_^;)2019/03/13
ダイ@2019.11.2~一時休止
154
読み始めには光楽がいいなとは思ったが、終わりの頃には何か宗教っぽく見えてきて怖い。2013/07/24
たかさん
140
東野圭吾40冊目(たぶん)。ミステリーでもない、読後のなんとも言えない切なさも押し寄せて来ない。SF作品?著者の多才さは伝わってくるけど…。 サクサク読めるけど、虹は最後まで操らないし、なんだろうこの感覚。タイトル「光を操る少年」がよかったような。2017/09/13