内容説明
「な、何の真似だね、それは…。おい、気は確かか…」老人の声がうわずり、椅子が激しくきしむような音が上がった。違法電波から聞こえてきた生々しい“殺人現場”の音。「狩り」に出た盗聴器ハンターが都会の夜でとらえたものとは？今が“旬”の気鋭が送る初めての短編集。表題作ほか秀作ミステリ４編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人００９
143
警察ではなく個人を主役に巧妙な仕掛けと人間心理の綾を描く秀作犯罪小説集。『盗聴』プロの盗聴ハンター達が遭遇した裏切りと反撃の痛快なドラマ！『再会』妻に自殺を決断させた理由を探る夫が悟る恐るべき真実。『漏水』悪女に翻弄され罪を犯した男が必死で粘るが糠喜びも一瞬で結局は因果応報・天罰覿面。『タンデム』心から慕っていた元暴走族のライダーの死の複雑な真相とは？『私に向かない職業』二つの暴力団を相手に殺人未遂のからくりを見事に暴いた名無しの探偵の真実の商売に愕然！何とあの有名な片仮名＋数字の人物と同業だったなんて！2018/08/13
じいじ
101
表題作を頭にした５編の短篇集。事前の徹底した取材のもとに書かれた、と思われる『盗聴』が良い。手に汗する緊迫感があって面白かった。８０頁の中編ではもったいない出来栄えの作品だ。これは、著者初の短篇集らしいが、真保裕一の真骨頂は、『ホワイトアウト』『奪取』で味わった長編の重厚な読み応えにあると思っている。2017/10/29
さっとん
52
真保さんの短編集は初めてでした。 どの話も暗めの雰囲気ですがサラッと読ませる文章力はさすがです。 「盗聴」は解説にもあったとおり、長編として読みたい。 「再会」はまさかの結末でこれが一番良かった。 「漏水」は終わり方はしっくりきませんでしたが、全体的には面白かった。 「タンデム」はバイクの用語が多く分かりにくいところもありましたが、話の展開的には好き。 「私に向かない職業」は主人公のキャラが好き。シリーズ物として読みたい。2019/05/09
金吾
33
ちょっとしたどんでん返しがある短編集です。｢再会｣｢私に向かない職業｣が良かったです。2023/01/20
背番号１０＠せばてん。
29
1997年5月23日読了。あらすじは忘却の彼方。1997/05/23
