内容説明
新しくて古い町・東京で働き、遊び、子育てもしてきた。タウン誌「谷根千」を十数年続けてきた筆者は四十年近く生きてきた東京を愛してやまない。東京五輪、東大落城、都電消滅、地上げの嵐…それでも負けずにがんばっている路地裏の人々の哀歓を限りなく優しい筆で綴った、抱きしめたいほどの東京日記。
目次
花電車のころ
東京オリンピック
東大落城す
都電の消えた日
早稲田と赤坂
安心して死ねる町
さよなら水晶ローソク
地上げの嵐
路地の人々
大家ハラスメント
つわものどもが夢のあと
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kokada_jnet
12
93年刊行、97年文庫。前半は自伝だが、後半はバブル時代、「谷根千」を作りながらの、「町殺し」である地上げ旋風への激しい糾弾録。 「母は幼少期に浅草の歯科医の養女になった」「母の実家は田端の水島家」との描写があり。ここから「近藤富枝が伯母である」ことは推測可能ではあったわけです。 著者の第二の職場である「サイマル出版会」が「左翼硬派出版社から堕落」していたというくだりも、興味深い。2016/04/13
いちはじめ
0
町とわたしという副題通り、自伝のような、東京の移り変わりを描いたような。東京の町を語ることが自分を語ることにもなる生き方というのもあるんだな、と田舎生まれの僕は変なところに感心2006/09/28