講談社文庫<br> 聖アウスラ修道院の惨劇

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講談社文庫
聖アウスラ修道院の惨劇

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  • サイズ 文庫判/ページ数 615p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062633727
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

野尻湖畔にある修道院の塔で起こった二つの密室殺人。満開の桜の枝に、裸で逆さに吊るされた神父の首なし死体。ヨハネ黙示録に見たてた連続殺人。そして、不可解な暗号文も発見されたのだ。神秘の領域で惨劇が繰り返される。名探偵・二階堂蘭子の推理が、ついに暴き出した地下文書庫に隠された驚愕の真実。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

W-G

285
二階堂流厨描写が炸裂しまくる快作。まずそこを受けとめられるかで評価が大きく変わる。ヨハネ黙示録を持ち出しながらも見立てきれてない見立て殺人(順番違いの件もスルー)、関係者への聴取がやたら下手くそな名探偵、大学生の女の子に「犯人は吸血鬼だけど、大丈夫!あとは私たちが上手くやっとくから☆」と諭されて捜査ぶん投げて帰る警部、見なかった事にしておけば別に問題無さそうな文書庫の秘密でシェイクスピアばりの悲劇的演出等々、「ロジックよりトリックを、トリックよりプロットを」という言葉の真髄を見た。大好物で読むの三回目。2016/09/18

Tetchy

147
本書には本格ミステリのありとあらゆる要素がぎっしりと含まれている。江戸川乱歩や横溝正史、ディクスン・カーが織り成すオカルティックな本格ミステリの世界観を見事に盛り込んだ作品を紡ぎ出している。ケレン味という言葉がある。それは物語をただ語るだけでなく、作者独特の世界観に読者に導くはったりや嘘のような演出のことだ。本書は死者8人にも上る惨劇であるが連続殺人だけを語るわけではない。これら一連の事件を彩るケレン味が面白いのだ。二階堂氏がこよなく愛する古典ミステリの傑作へのオマージュがとことん詰め込まれている。2019/06/18

aquamarine

85
再読。舞台は昭和44年。今回蘭子が挑むのは一年前の修道院での転落死と桜の枝に吊るされた首なし死体。相変わらずの二人ですが、密室、暗号、首なし死体に始まり、他にもいろいろ、まあ見事にいろいろ詰まっています。実は初読のときは読み切るのにかなりてこずったイメージがあるのですが、今回再読だからか600ページを一気に読まされてしまいました。ラストの展開は本当に新本格を読んでる!って感じでとても楽しかったです。解説にもありますがまさしく「本格ミステリマニアによる、本格ミステリマニアのための本格ミステリ」ですね。2015/12/05

ダイ@2019.11.2~一時休止

79
二階堂蘭子その3。密室殺人と首なし死体という本格派。暗号も面白かった。2014/03/29

yukaring

72
本棚を整理していて久しぶりに再読。蘭子シリーズの中でも特にサスペンス要素が強いストーリー。神聖な修道院という特殊な環境で起こる凄惨な連続殺人。滅多刺しにされて塔から落下した少女、満開の桜に逆さ吊りにされた神父。かつての同級生の依頼で調査をする蘭子と黎人の前に現れる不可解な暗号や怪しげな人々そしてそんな2人を嘲笑うかのように起こる新たな殺人。見立て殺人に地下迷路、髑髏の洞窟に怪しげな儀式などミステリ好きの心をくすぐる道具立てが満載。蘭子たちがたどり着く驚きの真相まで何度読んでも飽きないお気に入りの1冊。2024/02/08

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