講談社文庫
麻酔

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  • サイズ 文庫判/ページ数 459p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062633055
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

子宮筋腫の手術を受けた妻邦子は、麻酔のミスで意識不明のまま眠り続ける。福士高伸は妻の意識が戻るよう、夜の病床で妻を密かに愛撫さえしたが、いっこうに目醒める気配もない。母のいなくなった家庭は次第に虚ろなものになっていくが、高伸は仕事に没頭していく。医療過誤と家族の絆を描く感動の長編。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ふーこ

13
簡単な子宮筋腫の手術だったのに目覚めなくなってしまった妻。小説の中の話だけどこういう医療ミスって実際にもありそうで自分が手術を受ける立場になったら怖いなと思いました。妻であり母が家庭から消えたときの家族のありようを簡潔に読みやすい文で書かれていてとても読みやすかったです。2016/04/29

ぼちぼちいこか

12
子宮筋腫手術で麻酔から目覚めない妻。夫は「虫の知らせ」というか、嫌な予感にかられる。渡辺淳一の久々の医療小説。夫には愛人がいる。幸せな家庭もある。仕事も充実している。医師は手を尽くして治療しているが妻は目覚めず、植物人間になってしまった。生きているのに生きているとは言えない妻を夫は今まで自分が幸せだったことに気づく。幸せだったころには分からずにいたが、妻が植物人間になったことによりどんなに妻を愛していたか、自分にとって必要な人か切実に書かれていた。妻が天に召された時あとも、余韻が心に沁みてきた。2020/01/18

kiki

7
簡単な手術と言われていたのに、麻酔の影響でその後意識が戻らず…というお話し。あってはならないが、一歩間違えたら誰にでもおこりそうなお話しで、それを渡辺淳一らしい夫婦愛・家族愛でえがかれていました。かなり前にドラマ化されているようですが知りませんでした。観てみたいな。2022/03/02

ちさと

7
渡辺淳一さんというと、大御所の貫禄で日経に堂々と失楽園や愛の流刑地といったエロ小説を連載する作家さんというイメージですが、実際はお医者さんだし、医療テーマを取り扱った本作のような作品の方が好きです。。簡単な手術のはずが医療ミスによって植物状態になってしまった妻との絆、焦燥、焦り。家族の感情が丁寧に描写されていて感情移入してしまいます。最後の医師の言葉にはぞっとしました。

tam_tam

7
医療事故ものながらメインは家族の絆であり、そのへんが穏やかに描かれていて、ちょっと退屈な面はあるもののいい作品だった。結果的に大事に至ったとしても、きっかけは誰でも起こしうる些細なミス。それを同じ人間がどこまで糾弾できる権利があるのか?考えさせられるところではる。2017/02/04

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