内容説明
6つめの「館」への御招待―自分が何者なのか調べてほしい。推理作家鹿谷門実に会いたいと手紙を送ってきた老人はそう訴えた。手がかりとして渡された「手記」には彼が遭遇した奇怪な殺人事件が綴られていた。しかも事件が起きたその屋敷とはあの建築家中村青司の手になるものだった。惨劇に潜む真相は。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダイ@2019.11.2~一時休止
169
館その6。綾辻さんが述べていた通り変化球的な作品だが、手記に残された伏線がうまいな。2013/11/16
みのゆかパパ@ぼちぼち読んでます
115
中村青司の手になる「黒猫館」で起こった惨劇の真相を、事件を記した老人の「手記」を手がかりに探り当てていく「館」シリーズの第6弾。手記と現在進行形の捜査を交互に配しながら、じわじわ核心に迫っていく展開にもゾクゾクさせられたが、そこから突如として明かされる“まさか”の大仕掛けも健在で、まさに本家本元の「館」ものの醍醐味を感じさせてくれる。ただ、変化球すぎて素直に“やられた”とまでは思えなかったのも正直なところ。またいつか、事件の真相にがっつり絡んだ驚愕の仕掛けで度肝を抜かされる絶品に出会えることを期待したい。2014/10/25
とも
86
館シリーズの6作目。前回の「時計館」がとてもよかったので、今回も期待して読んだ。ページ数も人死も少なかったが、ミステリー作家へのオマージュと緻密であっと驚く構成とトリックがとても楽しめた。2023/01/23
そのぼん
86
本格ミステリー、面白かったです。相変わらずの最後のどんでん返しを期待しながら読んでいました。作品中に手記が出てきてそれを解明していく手法も面白かったです。2011/05/03
ミンティア
75
またもや、為て遣られました。 この作家は本当にお上手ですね。人の心理を分ってらっしゃる。所々違和感は感じていたものの、その違和感を掴みきれずに騙されました。さて、今回の趣向は「水車館の殺人」に似ている。過去の手記と現在を互いに行き来して手記の真相を暴く。殺人事件ばかりに目がいって、「黒猫館」そのものに、目がいかなかった。それにしても、鹿谷さんは凄いですね。彼の慧眼には毎度のこと驚かされます。そして江南もワトソン役としていい味を出し始めた。これからの二人の活躍に期待です。次も楽しみです。2012/02/14