出版社内容情報
【内容紹介】
「初めてお手紙さしあげます。個人的なことで、お話したいことがございます」。始まりは、亡父に宛てた差出人不明の手紙だった。「毎週土曜日の午後6時ごろ、レストランでお待ちしております。」彼女の目印は、テーブルの上の黄色いくじら……。心を癒してくれる現代の神話。気鋭が描く感動長編、文庫化第1弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ピップ
29
くじらな話。ハードボイルドのような村上春樹のような感じの小説。なんかバランスがいい小説で、主人公もおせっかいではなく無気力でもなく、変な奴もいるけどなんとなく腑に落ちるというか。夢中になる本ではないけど、途中でやめられずずっと読んでました。M.Mが良い感じでした。2022/02/16
舟江
12
まだ戸籍が手書きの時代であった50年ほど前、父親が戸籍を移動してどこにあるのか分からない、という人がいたことを思い出した。 また、小説中に「誰もが、ゴミと、そうでないものの区別がくべつがつかなくなっちゃったんだ」と言わせているが、我々は危うい世界の上に生きているのだということを実感した。2017/03/07
TANGO
10
現実的なファンタジー、とでもいうのか。好きな一文がたくさんある本。独り独りが、すれ違ったり、ぶつかったりしながら、生きている。くじらや白い猿や犬も。2013/06/13
kinshirinshi
4
てんとう虫の形の別荘、名前のない森の青年、くじらの絵、アルビノの猿。いろいろと心を惹かれる設定だが、帯の「心を癒す現代の神話世界」というのはちょっと違うと思う。もっとドライで、もっとハードに、孤独や喪失を感じさせる物語だった。2019/10/19
あおいだだんだん
4
よくわからないまま終わってしまった、、この主人公みたいな人苦手だ。あと、おばちゃんも。2016/09/12