内容説明
明石の君母子の哀切な子別れ。最愛の人藤壺の宮の崩壊。長男夕霧の大学入学と幼い初恋。亡き恋人夕顔の娘、玉鬘がたどる波瀾の運命。広大な自邸・六条の院に愛する女君たちを住まわせ、栄華をきわめた源氏31歳から36歳までを描く。
目次
薄雲
朝顔
乙女
玉鬘
初音
胡蝶
著者等紹介
瀬戸内寂聴[セトウチジャクチョウ]
1922年、徳島県に生まれる。東京女子大学卒業。1957年、「女子大生・曲愛玲」で新潮社同人雑誌賞を受賞。1963年、「夏の終り」で女流文学賞を受賞。1973年、中尊寺で得度受戒。法名、寂聴。1992年、「花に問え」で谷崎潤一郎賞を受賞。1996年、「白道」で芸術選奨文部大臣賞を受賞。1997年、文化功労者に選ばれる。1998年、放送文化賞受賞、「源氏物語」現代語訳(全10巻)完結。2001年1月、「瀬戸内寂聴全集」(全20巻)を刊行開始。11月、「場所」で野間文芸賞を受賞
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感想・レビュー
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ユウ タム
1
図書館本。 藤壺の死、昔に愛した夕霧の娘の玉カヅラへの恋愛感情への移行と、息子の朝顔の進学など。 紫の上は光源氏の浮ついた心情にも動じなく、ご寵愛を賜っているほどの良き女性である事柄に真の強さを感じる。2024/04/22
サガン。
1
光源氏こわい~。当時の感覚としてはどうなのかわかんないけど、現代人の私から見れば玉蔓に対する接し方の最後の方がだんだんこわくなってきてしまいました。2023/01/15
aqua9209
1
薄雲の帖は圧巻!明石の君の姫君が源氏の元に行く雪降る朝。姫君は母も行くものと「早く、早く」と一緒に 車に乗るように促す場面は感涙!!玉鬘も幼い時、船旅で「母(夕顔)の所へ行くの?」と尋ね乳母は涙が絶えない。紫式部の子供描写は泣ける。また源氏がそれぞれ関係ある女性達に送った織物が如何に素晴らしいかひとつひとつの描写は圧巻!!!よくこれだけ綺麗な単語が並べられるなぁと感心する一方読んでいるとその織物が目に浮かぶ。千年前の描写が21世紀の今に。紫式部。すごい!!!さぁ五巻へ.... 2020/02/28