出版社内容情報
【内容紹介】
手塚治虫の世界は、天国と地獄めぐりの混淆であり、神と悪魔とにひきさかれている人間という存在の運命を告げる曼茶羅である。
己の欲望のおもむくままに生き、他人を信じることを忘れてしまった、3人の主人公がたどる恐怖の時間。心の奥底にひそむ狂気を、手塚治虫の鋭いメスが切り裂くオムニバス・サイキック・ミステリー。表題作「サスピション」のほか、映画好きの予備校生・陣内とランプの精が巻き起こす、ドタバタ・ラブ・コメディー「こじき姫 ルンペネラ」を新たに加え、傑作5編を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みのにゃー
4
処分前の再読。表題作の『サスピション』は、その名の通りサスペンスの短編が3作。心理劇。BJのピノコの原型の『嚢』。ドタバタ劇の中編『こじき姫ルンペネラ』(ひどいネーミング!)などバラエティーに富んだ作品集。2017/08/22
おゆき
1
1がなくて2を先に。でも繋がりはないようなので問題はありませんでした。 表紙的に医療系の怖い話がいっぱい入ってるのかなぁと思いきや、山の自然を守る一家の話だったりランプの魔人ちゃんがお色気プロレスしたりと意外とテイストに共通点はなかったです。 特に魔人ちゃんの話はメタ要素がてんこ盛りでしたw でもやっぱり手塚ブラックな感じは多かれ少なかれ漂ってる感じ2018/02/21
山口康隆
0
既読作品が多かった。総ページの半分ほどを「こじき姫 ルンペネラ」が占めている。「ルンペネラ」は手塚治虫の悪ノリが炸裂している作品で、行き当たりばったりでストーリーが展開していく感じ。ミサイルに魔法をかけて睾丸を付けて飛べなくするなど、エロチックで奇想天外なギャグが幾つかあってなかなか面白い。ほかの作品は表紙のイメージどおりのサスペンスフルなものばかりなので、なぜこれを入れたのかはよくわからないが……。中島梓の解説は熱っぽくて良い解説だった。2017/01/06
lovekorea
0
巨匠・手塚治虫の作品にも当然ながら「当たり外れ」がありますね。一番印象に残ったのは『嚢』。ピノコのエピソードの元ネタでしょうか??2013/02/11
nightowl
0
こじき姫ルンペネラをなぜこの短編集に入れたのか・・・妙に浮いている。バイパスの夜目当てで買ったものの、一番おぞましさで印象に残ったのは「ハエたたき」。2008/10/14