出版社内容情報
【内容紹介】
ドイツの包囲網を破れ!クリロのいるパルチザン本隊は4万の難民と共に、マイスナー大佐率いる枢軸軍に追いつめられた。総司令官チトーは、ネレトバ川を渡り活路を見い出そうとする。激流に落ちた橋の残骸を渡るパルチザンに、ドイツ空軍は容赦ない空襲をかける!イヴァンは、過去にドイツ軍情報局から指示された、旧ユーゴ王国金庫番のモルトヴィッチ捜しを続けていた。情報局はその行動に不審を抱く。孤独な闘いを続けるイヴァンは、ついにドイツ側からマークされる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
白い駄洒落王
11
戦争はこんなにもカオスなものなのですか。それにしても読み辛い作品だ。2014/01/21
色々甚平
6
強制収容所のユーゴ人たちや普通に暮らしている子供の描写が増えた。子供へのたとえ話で、荷車を引いていたら道に花が咲いている。悩んだが踏み潰して進んだ。これをどう思うかという問いがあった。子供は最初は仕方のないことだと言ったが、すぐに花を植え替えればいい。と答えた。それに対して「大変だけどいい思いつきじゃないか、そういう労力は最も勇気がいる、少なくともおとなにとっては勇気がいることなんだ、それは何の得にもならないことだからさ、得にならないことをするには勇気が必要なんだよ」。自分は、この勇気を持てているのか。2019/04/28
ちんれん
4
戦争が泥沼化。憎しみだけが募っていく負の連鎖。2014/10/06
なお
3
収容場で友人のメルがドイツ兵と取引をして地位や食糧を手に入れることを他の囚人らは「犬畜生」だと非難する。そしてメルもまた自分の心が壊れていくことに気付きながら、フィーの為に食糧を調達してくることを「人間らしい」ことをしているという支えにしている所が痛ましい。ナチの新秩序ですらも、そこだけで見れば全く狂気的な話でしかないが、WW1の結果、力で支配されたドイツの生き残りを掛けたものだと考えると一定の筋は通っているように思える。同じような正しさと自分中心の考えだけで世の中が動いていたのだと感じた。2016/12/15
Hiroki Nishizumi
3
私たちは天上にいるのではなくて地上に住んでいる。しかし地上は残酷だ。戦は終わらない。安っぽいヒューマニズムは消え去る。そして幸福というものは満腹になるということがない。しかし人はなんとしても生きぬく・・・2013/12/02