講談社選書メチエ
夢の分析―生成する「私」の根源

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  • サイズ B6判/ページ数 238p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062583190
  • NDC分類 146.1
  • Cコード C0311

内容説明

夢は「意味されるもの」の現前なのか、内面を解釈するものなのか―。海に落ちて沈んでいく夢、仕切りのないトイレの夢の分析から立ち現れる内面性と超越性の対立。古代から現代に至る人々の夢を辿りつつ、近代的な主体の誕生を読む。

目次

第1章 夢をめぐるフロイトとユング(反復夢とはなにか;精神分析と夢;神経症=意識と無意識の妥協形成 ほか)
第2章 落ちる夢―超越性をめぐって(「私」という主体のあり方;垂直軸と水平軸;シャーマニズムの治療観 ほか)
第3章 トイレの夢―内面性をめぐって(排泄―「私」をめぐる「せめぎあい」;「個人空間」としてのトイレ;神経症と祝祭 ほか)

著者等紹介

川嵜克哲[カワサキヨシアキ]
1959年大阪府生まれ。京都大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。学習院大学文学部助教授。専攻は臨床心理学
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

1
この本の本筋ではないが、トイレや寝室の歴史の話を通して、「現代化に伴い個人と他者との境界線が明確になってきている」という話が興味深かった。 (ここから雑談) 例えば、結婚する若者が減っていることが現代の問題として議論される時、経済面や娯楽の多様化が原因に挙げられがちだが、根本の原因は個人の分化が進んでいることで、それは人類の歴史的に見ても自然なことなのかもしれない。カラオケや焼肉店ですら、ここ5年10年で1人専門店ができてるぐらいだし…2022/07/19

ポレポレ

1
面白かった。あくまで自分の解釈では、神経症的水平方向に注目したのが、本書で述べられていたフロイトや、他に、アドラー、フロム、加藤諦三などではないかと思う。垂直方向が宗教やスピリチュアル。河合隼雄やユングは、その交差するところにいた人たちではないかなと。最後の方の近代とポストモダンについては、ポストモダンとはなんぞやと、思った。そしてAさんは今後どのような方向にゆくのだろうか。結論は出さず、想像の余地が残るあたりが、河合隼雄さんの対人恐怖症の自我や日本人論と似ている。2021/09/27

コーキ

0
期待していたような夢の話ではなかった。同じことを何度も何度も繰り返すし、ちょっとどうかなあ・・・。確かに超越性と内面性の分析は面白いけど、それでもなあ・・・。もう少しなあ・・・。はあ・・・。2014/11/15

frog

0
ある一人の夢の分析を通して「自我」のという概念が誕生するまでの変遷と、夢とは何かということをわかり易く論じています。安易な夢判断の書ではないので心理学に興味がないと難しいですが、思考の基礎を学ぶ上で非常に有益な情報が詰まっています。2012/02/10

アクションお面

0
読むのに、かなりの時間を使用しました。 その時間分、得られたものは、これといって無かった事に残念。2011/11/18

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