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講談社選書メチエ
代官の日常生活―江戸の中間管理職

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  • サイズ B6判/ページ数 246p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062583145
  • NDC分類 210.5
  • Cコード C0321

内容説明

賄賂を受け取り、過重な年貢を強いる悪代官。しかし、それは代官の実像を伝えているのか―。増長する下僚に悩まされ、地震、飢饉などの危機に東奔西走。知られざる代官の素顔を明らかにし、幕府体制の礎を築いた江戸の中間管理職の悲喜交々を描く。

目次

第1章 代官という仕事(地方と公事方―代官の基本業務;幕府官僚世界のなかの代官 ほか)
第2章 代官から見た幕政改革(江戸幕府成立と代官;将軍綱吉期の「賞罰厳明」策 ほか)
第3章 代官の転勤人生(奉職と赴任;赴任の旅 ほか)
第4章 江戸の代官(江戸の勤務形態;交遊する代官たち ほか)
第5章 代官たちの危機管理(下僚に悩まされる代官;大地震が発生したとき ほか)

著者等紹介

西沢淳男[ニシザワアツオ]
1964年東京生まれ。法政大学文学部史学科卒業。同大学院人文科学研究科博士後期課程修了。日本学術振興会特別研究員を経て、現在法政大学通信教育部講師。専攻は日本近世史
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キムチ27

16
江戸期の年貢の大元を司る下級官僚の体系を丹念に説いてある。面白かったのは大名と同じく、代官の半数は任地に代人を送り、江戸で勤めを成していた。まさに、今云われている中央集権の機能がもうすでに東京にあったというわけだ。 代官と言えば「へっ、へっ・・あなたも悪ですなぁ~」の世界。実は意外と大半は生真面目に勤めあげ、したたかな百姓どもが責任転嫁のはけ口として「悪代官」という言葉に仮託していたのではと筆者は語る。 各地の顕彰碑が語るように 災害時の対応では私欲と程遠い献身的な代官も多かったようだ。2013/10/21

印度 洋一郎

2
時代劇では悪役の代表みたいな「代官」。しかし、実際の代官達は幕府と農民の間で汲々とする中間管理職だった。農民達に慕われ、その死を悼まれたり、離任を惜しまれる代官もいれば、下役に業務丸投げでお飾り同然の代官など色々。意外にも「悪代官」はいなかったらしい。むしろ、非正規職員である現地採用の手代達に贈収賄や横領が横行し、代官達を悩ませたという。勤務の間に借財がかさんで処罰される者も少なくないリスキーな役職だったが、同時に下級の旗本達には出世の機会もあり、幕領統治の最前線で働く、縁の下の力持ち的な存在だった。2011/05/21

sfこと古谷俊一

2
日記や記録から江戸時代の幕府の代官の実像を描き出す。初期には地元有力者やテクノクラートがつき、腐敗ののちに武家の世襲体制で固められ、技術職より事務職となっていく感じ。実務用の部下には手代というフリーランスを雇い、そちらは非正規労働者なので不安定だから腐敗して賄賂などで蓄財したりした模様。2009/08/23

Y_Kuroyanagi

1
20190713ー201907222019/07/22

きさらぎ

1
タイトル通り、お代官様の日常を書いた本。赴任決定から出発までの引き継ぎ、現地へ向かう旅程や各地の対応、現地での業務や、地震発生の際の対応、現職で死んだ場合の周囲の対応など、具体的に書かれているのでとても参考になりました。「私腹を肥やす悪代官」のイメージを払拭したかったという作者による代官たちは、むしろ借金のせいで転勤命令が出ても応じられなかったほど(笑)(負債を残していくと処罰されるから)面白かったです!2014/08/10

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