講談社選書メチエ
福音書=四つの物語

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  • サイズ B6判/ページ数 260p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062583046
  • NDC分類 193.6
  • Cコード C0314

内容説明

マルコ、マタイ、ルカ、ヨハネ。彼らはなぜ互いに相容れない「イエスの物語」を書き記したのか。イエスの弟子たちを批判するために作られたマルコ福音書。ルカ福音書に込められた「新しいキリスト教世界」の構想など。紀元後一世紀、福音書誕生のドラマを追いつつ、それぞれの思想を描く。

目次

第1章 四つの福音書は互いに異なっている
第2章 物語としての福音書
第3章 四福音書が成立するまで
第4章 マルコ福音書の物語
第5章 マタイ福音書の「掟」
第6章 ルカ文書の世界
第7章 ヨハネ福音書の構造

著者等紹介

加藤隆[カトウタカシ]
1957年神奈川県生まれ。ストラスブール大学プロテスタント神学部博士課程修了。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。神学博士。現在、千葉大学文学部及び同大学大学院文学研究科・社会文化科学研究科教授。専門は新約聖書学、神学
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感想・レビュー

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優希

66
新約聖書における4つの福音書について解説しています。何故、互いに相容れないイエス伝を書き記したのかを福音書成立の過程を追いながら、それぞれの思想について述べているので、性格の違いなどを知ることができました。書かれている内容は同じながらも、それぞれの立場が全く違うのは興味深いところです。福音書を比較することでより聖書の味わいが深まるように思いました。2015/11/02

ジュンジュン

5
『神について人間が論理的に言い得る事は、"神について論理的に言い得る事は存在しない"ということだけだ』(48p)~まるで禅問答みたい…。新約聖書には四つの福音書が収められている。似ているが同じではない。それぞれ執筆意図が違うから。それはなぜ?ここまでは分かるし面白い。だが、実際記述の検討に入ると、上記のような禅問答が続きしんどい。「~と思われる」が頻出し、推論に推論を重ねる展開もちょっと強引さを感じてしまう。2019/10/17

Ise Tsuyoshi

2
イエスは書かれたものを残さなかった。福音書は四つがそれぞれの立場で書かれている。マルコはイエス以外の登場人物を否定的に描く。マタイはイエスの特殊性を示し、イエスによる新しい掟に権威をみる。ルカはマルコの枠組みに似ていながらも物語がイエスに限定されず、後半に弟子たちの物語がある。ヨハネは、アブラハムをめぐる祝福の構図=神と直接つながる唯一の存在であることをイエスに見いだす。福音書は繰り返しばかりかと思っていたが、この本の指摘を踏まえて読み進めていくと、同じ場面でも描き方の違いが見えてきて、おもしろい。2023/01/23

belier

1
4つの福音書を細かく比較していて気付かされたことが多かった。ただ解釈が著者独自なような気がするが、研究者の間でも広く共有された見方なのか、浅学なため判断できないのが残念。著書がなかなかに意地悪な読みをしているような気がしたため、そんな疑問が湧いたのだった。2023/12/11

はるたろうQQ

1
最初にマルコ福音書を読んだ時、こんなことを書かれたら、小説が書けないと思った。誰にも理解されずに死んでいくイエスの孤独が正面から書かれていた。新約聖書の4つの福音書はそれぞれ別の立場から書かれ、互いに相容れない所があり、4つの福音書の全体理解は困難であるという。著者の「新約聖書の誕生」とだいたい同じことが書かれている。物語としての福音書の章が示唆的で、神の意図や行動は人間には図りがたく、論理的に表現し難いので、物語形式としたとされているが、4つの福音書の読み解きも同じで、人間の論理では図り難いのであろう。2022/09/28

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