講談社選書メチエ
アレクサンドロス大王―「世界征服者」の虚像と実像

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  • サイズ B6判/ページ数 270p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062581974
  • NDC分類 231.7
  • Cコード C0322

内容説明

弱冠25歳で大国ペルシアを征服。33歳、その早すぎる死は稀代の英雄を神話化した。「完全無欠の軍事的天才にして、高邁なる東西文明融合の推進者」。年代記作家たちが綴る大王像はどこまで信頼できるのか。綿密な原典批判により2300年前の事績を徹底検証し、「世界征服者」の実像に迫る。

目次

第1章 東方遠征への道
第2章 グラニコスの会戦―緒戦の勝利
第3章 イッソスの会戦―天下分け目の戦い
第4章 ガウガメラの会戦―ペルシア帝国の崩壊
第5章 ダレイオスの虚像と実像
第6章 東方政策をとらえなおす

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ピオリーヌ

14
著者がいう「関連史料を多数引用し、その原典を特定しながら史料解釈を積み重ねる」手法により、平易にアレクサンドロス大王像が浮かび上がってくるように感じる。アレクサンドロスの三大会戦といわれるグラニコス、イッソス、ガウガメラについて豊富な先行研究をもとに詳細な分析がされており大いに読みごたえがある。また導入ではアレクサンドロス・モザイクと呼ばれる有名なモザイク(高校世界史の教科書にも載っている、ダレイオス三世とアレクサンドロス三世の戦闘場面が描かれたもの)が引かれ、東西世界の対比など2021/11/20

遊未

12
史料の紹介に始まり、グラニコス、イッソス、ガウガメラの会戦がかなり詳細に解説されています。また、ダレイオスについてもこれまでのギリシア視点だけでなく、公平に詳解されています。アレクサンドロスの足跡を現実感を持って見つめることができました。軽く流してある事柄も多いので、会戦興味の方にお薦めです。2020/06/17

futabakouji2

9
森谷さんの本は他にも読んでいるので、アレクサンドロス大王について知りたいなら「興亡の世界史」「図説・アレクサンドロス大王」の方をオススメします。 本書はダレイオス3世に関する説明が多いこと。戦場で先手を取りながらも、その状況を活かせないダレイオスにムカムカ。ギリシャ傭兵を有効活用できない、アレクサンドロスが正面からではなく側面から攻撃するのも知っているのに、その経験を活かせない。 う~ん、もったいないと思った。 2018/09/17

中島直人

6
(図書館)再読。まさしく虚像と実像。ほんの二十年くらいで評価がここまで変わるものかと改めて驚く。子供の時に読んだ、純粋な、完全無欠の英雄として、アレクサンドロス大王を見れなくなったのは少し寂しい。2023/03/11

富士さん

6
再読。出来事ではなく、記録を記述するという歴史学的な基本を押さえた手堅い本です。個人的には、今日的なナショナリズムのより古い起源であろうギリシャ人の実態がどのようなものであったかに興味を引かれました。あたかも専制に対する自由の勝利のようなギリシャとペルシャの関係も、基本的には終始ペルシャ側の圧倒的優位にあって、むしろペルシャにすり寄って、自ら支配を受け入れていたこと。マケドニアとペルシャの戦いの中にあってギリシャは双方に所属するその他であった可能性など、さらりと示唆的なことが書かれているように思います。2018/09/28

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