内容説明
ユダヤ人永久追放はなぜおこったのか。儀式殺人告発とは何か。そして国王の恣意税とは…。苛酷な差別にさらされながら共生の道をさぐる「離散する民」にとって、島国イギリスは安住の地たりえたのか。英国史の文脈のなかにユダヤ人世界を明確に位置づけた力作。
目次
第1章 中世英国のユダヤ人
第2章 ユダヤ人追放
第3章 隠れユダヤ教徒の時代
第4章 再入国と近代英国ユダヤ人社会の始まり
第5章 同化、そして棄教
第6章 苦悩するドイツ系ユダヤ人
第7章 再びユダヤ主義のたかまり
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Shiori
7
英国の勉強をしている立場としてこの本を読んでとてもよかったと思います。ユダヤと英国の関係を知らずに卒業していたら、、、と考えるとちょっと恐ろしいくらいです。もう一度読もうと思います。2016/01/26
印度 洋一郎
2
12世紀から現代に至る、イギリスのユダヤ人社会の歴史。それはヨーロッパ大陸とは異なり、王権がユダヤ人達の持つ経済力や専門知識、国境を越えたネットワークを積極的に活用するために招聘された移民のコミュニティの足跡だったという。ユダヤ人コミュニティ内部での上層イタリア・スペイン系と下層ドイツ・東欧系との根深い格差と断絶、ユダヤ人のイメージアップに貢献したボクシングでの活躍、20世紀における英国ファシスト同盟との対立など普通のイギリス史では出てこないような話が多く、さながら裏英国史の趣も。2011/08/06
ソフィ
0
ドイツ系ユダヤ人のことが知りたかった私にとって情報の宝庫でした! 「プロの歴史家」の仕事!2018/11/09