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講談社選書メチエ
神を殺した男―ダーウィン革命と世紀末

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  • サイズ B6判/ページ数 285p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062580144
  • NDC分類 467.5
  • Cコード C0397

内容説明

1859年11月24日、「神の死」を決定づける書が世に出た。初版1250部の『種の起源』は、即日完売となる。「進歩の夢」と「ニヒリズム」が、交錯する世紀末。マルクス主義・自然主義・帝国主義・社会ダーウィニズム…。あらゆる知の分野は、「進化論」のうえに再構築され、20世紀へと突入する。世紀末を飾ったテクストをとおし、ダーウィニズムの思想的磁場を考察した意欲作。

目次

第1章 神の殺害―個別創造説・思弁的進化論・ダーウィニズム
第2章 人類の黄昏―ユートピアニズム・マルクス主義・ダーウィニズム
第3章 コリンズ殺人事件―自然主義・決定論・ダーウィニズム
第4章 大英帝国の栄光と暗黒大陸―帝国主義・人種差別主義・ダーウィニズム

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

take0

8
ダーウィン『種の起源』に始まるダーウィニズムが、生物学に留まらず、哲学、宗教学、倫理学、人類学、文学、心理学等、多方面に渡る19世紀後半の知の領域に及ぼした影響を、H・G・ウェルズ『タイムマシン』、ジョゼフ・コンラッド『闇の奥』といった19世紀末文学テクストを軸に考察したもの。最適者生存、生存闘争という面を誇張、歪曲して帝国主義、人種差別主義が理論的正統性の補強に利用したという分析等、19世紀末英国の文化的一側面の分析として、また文学テクスト批評として興味深くかつ面白く読んだ。2018/12/06

うえ

5
批評の本だった…。「ダーウィンは、彼自身がおそらくは自覚していたように、その自然主義的方法論によって基本的に神の殺害者のひとりとして記憶されるべき存在であるにちがいない。それまでのキリスト教のうえに基礎づけられていた西欧の歴史観、世界観、人間観、道徳観のいっさいは、ダーウィンが最終的にそして決定的にもたらした「神の死」というニヒリズム的な状況のなかでその根拠を奪われるからである。と同時にそれらは、みずからの根拠を奪ったはずのダーウィニズムのなかに、キリスト教にかわる根拠を模索していくことになっていく」2021/09/06

tuppo

2
判断はコンテキストによって。2016/11/17

左手爆弾

0
ダーウィンの進化論の解説書ではなく、それがもたらした文化的影響を扱った本。ダーウィンは書簡において種の不変性を否定する際に「殺し」という言葉を使った。神が創造によって定めたとする種を進化の産物と論じることは、そのくらいの衝撃があった。折しも19世紀末には、様々な科学が発展し、聖書批判が進み、ニーチェは神の死を宣言した。こうした時代において、英語圏の文学がどのように変化したのかが本書の主題である。2020/06/02

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