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出版社内容情報
忘れ去られ、破壊され、失われていく「知の遺産」を永久に記憶にとどめておくためのデジタル・アーカイブの実情と課題と可能性とは[人類が獲得してきた膨大な「知」が、いま刻一刻と消えている!〕
エジプトのパピルスや、メソポタミアの粘土板に文字を刻みつけた太古より、人類は進歩の過程でさまざまな「知」を記録してきました。
その蓄積の上に文明を築いていったからこそ、人類は地球生物の王者たりえたといえます。ところがいま、過去のかけがえのない知的財産が、次々と失われているのです。
活字や映像は物理的に劣化し、それらを守るべき人々はいなくなり、多くの記録が雲散霧消しています。さらに、ウェブ社会の発達が拍車をかけています。
インターネットやデジタル機器の普及によって多くの記録がデジタル情報に置き換わり、また、一般の人たちもユーチューブなどで記録を残せるようになりました。
しかし、それらは次々と情報が更新されるウェブ世界においては、あっという間に消えてゆく運命にあります。再生機器が古くなっても、もう見られません。
このままでは現代は、後世から見て「記録が空白」の時代、ひいては「歴史が空白」の時代となってしまいかねないのです。
この「知」の危機を憂い、立ち上がった有志たちがいます。報道、活字、映像、芸術作品から、伝統芸能、少数民族の言語、ホームページまで、
ありとあらゆる知的財産をデジタル化して「アーカイブする」ための取り組みが、いま世界中で始まっているのです。
本書は日本の情報科学の第一人者である著者が、デジタル・アーカイブの戦略・技術から、著作権などの乗り越えるべき課題までを一冊に凝縮し、
世界中のホームページが見られるサイトほか、広漠とした「知」の海から必要な情報を取り出す方法も満載、知的生産に関わるすべての現代人必読の書です。
はじめに
第1章 歴史を記録するアーカイブ
第2章 文化を記録するアーカイブ
第3章 活字を記録するアーカイブ
第4章 アーカイブの技術
第5章 これからのアーカイブ
エピローグ──感性はどこまでアーカイブできるか
謝辞
参考書籍
掲載画像の出典一覧
時実 象一[トキザネ ソウイチ]
著・文・その他
内容説明
災害の悲しい記憶も、映画の名場面が生む感動も、人類が未来に残すべき貴重な「知の遺産」である。だが、それらを守るしくみが崩れつつあるいま、出版物は孤児と化し、映像は再生不能となり、ウェブ世界でも膨大な情報がどんどん消えている。これらを電子的に保存すべく、世界の有志たちが立ち上がり、推進するデジタル・アーカイブ。その考え方、方法から乗り越えるべき問題まで。
目次
第1章 歴史を記録するアーカイブ(東日本大震災とアーカイブ;テレビニュースを保存しよう;昔のホームページはどこに)
第2章 文化を記録するアーカイブ(映画を消滅から救う;家族の写真を保存する;音を保存しよう;芸術作品のアーカイブ)
第3章 活字を記録するアーカイブ(本をアーカイブする;新聞記事で歴史をひもとく;作られなかった議事録;アカデミズムのアーカイブ)
第4章 アーカイブの技術(デジタルデータの技術;アーカイブのネットワークで世界がつながる)
第5章 これからのアーカイブ(アーカイブに立ちふさがる壁;デジタル・ヒューマニティーズのすすめ)
著者等紹介
時実象一[トキザネソウイチ]
東京大学大学院理学系研究科化学専門課程修士課程修了。東レ(株)、化学情報協会、米国ケミカル・アブストラクツ・サービス(CAS)、科学技術振興機構、愛知大学文学部教授などを経て、東京大学総合教育研究センター非常勤講師、愛知大学非常勤講師。理学博士。情報科学技術協会会長、学術情報XML推進協議会会長。専門は情報検索、電子ジャーナル、電子書籍、デジタル・アーカイブ、ネット情報(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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