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内容説明
放射線の健康影響資料と動物実験を厳密に調査し、少しの被ばくなら危険ではない多数の証拠を記述。最近の生命科学でわかりはじめた「人体防御機能のすばらしさの秘密」の一部を紹介。「放射線は少しなら心配無用」といえる科学の時代がきたことを本書は告げる。
目次
序章 わが青春と原子放射線
1章 放射線に対する不安
2章 放射線の人体への影響
3章 人体は放射線に弱くて強い
4章 低線量の危険と発がん機構
5章 生物の進化と環境への適応
6章 原発事故放射能にびくともしない人体
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
70
#感想歌 放射線グレイベクレルシーベルト測定方法測定機器も。第3版の巻頭言は、標題とは異なり、人は低線量率放射線に強いという意味の発言がある。昔から、日本では、放射線がある温泉を利用してきたので、医学利用の歴史は長い。放射線で他国では禁止されているひじきなどを食べている。現実をしらないと、世の中で流布している情報に論理のすり替えがあるかもしれない。ベクレル、シーベルトなど国際単位系を勉強しながら読むと良い。http://bit.ly/45zG90s2011/04/18
とど
3
リスクに対する被爆線量にはしきい値があり、LNT仮説は間違いであることを、豊富な実験結果と疫学的な調査結果およびその仕組みを生化学により説明した本。もう一歩踏み込んで放射線のホルミシス効果についても触れられているが、示唆する証拠があるだけで仕組みについてはさらなる研究が必要のようだ。著者は昔はLNT仮説を支持していたようだが、それを否定する実験結果等が出てくると、自説にとらわれず真実を追究していこうという姿は、科学者とはこうあるべきと思わせる。2011/12/25
emi
3
原発・放射線に関する本は、一方からだけではなく幾つかの角度から本を選んで読むようにしています。タイトル一つでも、「放射線」とするか、「放射能」とするかなども興味深い。1998年の本。何を信じて何を疑うか、こと原発と放射線に関しては神経質になってしまう。その点で以前からチェルノブイリ、中越沖地震関連の本を読んでいたことで、ある程度冷静に見る事が出来るような気がします。本はあくまでも誰が何のために書いたのか?という事があるモノで必ず各々のインセンティブが働くもの。どのように活かすかは、読者に委ねられるもの。2011/08/05
白義
3
低線量被曝なら放射線も大丈夫、DNAには自己修復機能があります、というのを豊富なデータを元に解説しています。結構詰め込まれてて原発事故から急仕込みで興味を持った人にはきついかもしれませんが、さすがにベテランだけあって説得力は大。ただし、脱線や冗長、検証が甘そうなところもあるので複数読み比べたほうがいいかもしれません。データに裏付けられた楽観論として高水準であり、興味を持った人が読むには手頃だと思います2011/06/16
静
3
微量の放射線は、生きているうちに身体に蓄積されているものだし、放射線が壊したDNAは、少しだけなら細胞が修繕する。修繕しきれない細胞は、自死することで、異常な細胞が増えないようにする。紫外線の恐怖を生き抜いた生物は、放射線を除去する巧妙な仕組みをもっている。「放射線は微量でも毒」というのは誤りである(むしろ細胞は損傷するけれど長生きするというデータもある)ことを、根拠を提示しながら説明していく。知れば不安は和らぐ。14年くらい前の本だけれど、こんな時だからこそ、不安な人におすすめします。2011/04/30