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講談社+α文庫
マンガは哲学する

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  • サイズ 文庫判/ページ数 257p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062568722
  • NDC分類 726.1
  • Cコード C0110

内容説明

著者がマンガに求めるもの、それはある種の狂気である。現実を支配している約束事をまったく無視しているのに、内部にリアリティと整合性を保ち、それゆえこの現実を包み込んで、むしろその狂気こそがほんとうの現実ではないかと思わせる力があるような大狂気。そういう大狂気がなくては、著者は生きていけない。その狂気がそのままその作者の現実なのだと感じたとき、著者は魂の交流を感じる。それゆえ、著者がマンガに求めているものは、哲学なのである。

目次

第1章 意味と無意味
第2章 私とは誰か?
第3章 夢―世界の真相
第4章 時間の謎
第5章 子どもvs.死―終わることの意味
第6章 人生の意味について
第7章 われわれは何のために存在しているのか

著者等紹介

永井均[ナガイヒトシ]
1951年、東京都に生まれる。慶応義塾大学文学部を卒業後、同大学大学院文学研究科博士課程単位取得。千葉大学文学部教授。専攻は哲学・倫理学
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

テツ

20
メジャーな漫画を通して哲学的な思考を説明する。この中で永井先生が取り上げた漫画が特別に「哲学的に」描かれているわけではなく、つまるところプロの哲学者という方(々)はどんなところにも自らの抱えた命題を内包しているのではないかと疑い眺め調べてしまうんだろう。漫画でも日常の風景でも、それが自分の中の何かに重なり合ったように幻視する度に思考の渦に潜り込んで行ってしまう感覚は大なり小なりあれどもかなり多くの人間が体験しているのだろうけれど、それが並外れて多いと哲学に浸り切っていくのかな。考える癖は忘れずにいたい。2019/07/28

白黒豆黄昏ぞんび

3
哲学を難しい言葉で理解しようとすると、感度が鈍るというのは至極納得。この中に出てくるマンガで読んだことがあるのはたくさんあったけど、ちゃんと深いところまで読みきれてなかった気がしました。マンガを侮るなかれ。2011/01/19

ともすけ

2
永井均氏の本ということで読んでみたが、漫画を楽しむには読む必要のないもの。わざわざ氏が説明するまでもなく読んでいる人はわかっているだろう。『ドラえもん』での未来を変えてまでものび太を矯正したいというセワシ君の覚悟とドラえもんののうてんきさには笑った。『ドラえもん』をブラックユーモアで読む。面白い。この本が古いために最近の作品が入っていないのが残念。吉田戦車とかはねえ。分かってますよね、みんな。2013/04/09

Hiroki Nishizumi

1
興味深く読めたが、自分は哲学に向いていない気もしてきた‥‥2018/06/20

タイクーン

1
驚いた。非常に面白い本だ。著者の哲学的問いをマンガに呼応させ検証する。それにしても、ここで取り扱われていたマンガは実に純度が濃い。現代のマンガのマジョリティは見え易い点に重点を置いている傾向が強い為、なかなか人間の深い部分にまで言及できていない。まぁそれはマンガだけじゃなくて、表現者が発する作品と言っても過言ではないだろうが。言い換えるなら現代人が求めているのは受け取りやすいメッセージで、あまり熟考させてくれるなよってことなのだろう。現代のマンガも面白いとは思うが、画一的で物足りない感があるのも事実だ。2011/03/01

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