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  • サイズ B6判/ページ数 250p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062199513
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報



岸本 佐知子[キシモト サチコ]
編集/翻訳

内容説明

喜びと驚きの、選りすぐりのアンソロジー。岸本佐知子の「網」にかかった愛すべき11の短編。

著者等紹介

岸本佐知子[キシモトサチコ]
1960年生まれ。翻訳家。著書に『ねにもつタイプ』(講談社エッセイ賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケンイチミズバ

82
コロナ初期に世界のどこかで起きていたかもしれない物語。後になって、あの時は みなどうかしていたのだ。犬も猫も鳥も魚もみんな殺してちょうだい。それに反対する人も殺して。そんなことを言う妻ではなかった。感染症の犬に噛まれて娘を亡くし、塞いでいた妻。無職でSNSばかりしていた叔父がどうしたわけか、大事な人を守るためだからと犬を殺す運動を呼びかけ扇動する。感染してもいない犬まで殺そうと。嫌がる飼い主を問題人物とふれ回る。集団で一人を責め糾弾していく様はフェイクの正義による作られた悪の過激な断罪となり暴走していく。2023/07/07

澤水月

64
亡骸スモーカー泣くほど好き。私は髪フェチなので、本当に伸ばした髪には念、思い、悲しみも喜びも全て籠っていると感じている…断ち切れないから長く伸ばす。よくSFで網膜や移植臓器に記憶や癖が宿るなどいうが、よくこの着眼点で書いたなぁ。こんな題名だけど切なくてエロティックさも秘め、現場は火葬場という究極の忌み場、すごい掌編なのに。もう一編の体内生物ものも良かったしアリッサ・ナッティング覚えておく。ほかナチの悪夢「三角形」も素晴らしかったし安全航海は今私の抱えてる苦しみが少し減じる気がして楽に。合う小説は救済2016/06/20

伊田林 浮刄

59
★★★☆☆こうやって新たな作家さんに出逢えるのはいいこと。なんでも編訳者が子どもの頃に見かけた魚の行商のお婆さんよろしくそのときどき網にかかったこれぞという11作品を集めたそうな。だからジャンルも雰囲気もまちまち新人もいれば大御所もいるとのこと。全編とおしてUS版ハルキワールドかはたまた小川洋子かみたいな(適当でいいかげんな例えです)恥ずかしながらミランダ・ジュライしか知らなかった僕みたいな人はあとがきから読むことをおすすめします。お気に入りは表題作のほか「ロイ・スパイヴィ」「アリの巣」「家族」「三角形」2017/02/11

キジネコ

55
編訳者の岸本佐知子さん(て云うだけで何人かの読み友さんは むむ…と思ってくれる、たぶん)が、あとがきに「今すごく面白い話を読んでしまったぞ!と思える話ばかりを選んだ」と書いてます。(ここで更に むむが増える、たぶん)奇妙な11の短編ですと、思って不図、奇妙て?と立ち止まる。此間読んだ福岡ハカセが、地球上の生き物の視界の偏狭さにおいて人間は優位性を全く発揮していない、て云う趣旨の事を教えてくれたけど、本書の11の視点は、もしかすると私達が見逃している世界の実際の多様さの物語かも知れない。 も少し続きます。2017/12/16

りつこ

55
面白かった~。ミランダジュライの作品が良かったなぁ。ミランダの文章と岸本さんの翻訳が合ってるんだろうなぁ。特に最後の一文には痺れた。何か意図があって組まれたものではないようだけど絶妙のセレクションでさすがだ。いかにもな「アリの巣」や「三角形」も良かったし「赤いリボン」もよかった。「安全航路」はどこかで読んだ覚えがあるんだけどなんだったっけ。いずれにしても岸本アンソロジーにハズレなし。2016/04/19

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