池田屋乱刃

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 331p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062191937
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

維新とは、志士とは何だったのか。「池田屋事件」で死んでいった志士を描いて幕末の「熱」の正体を暴く、最注目歴史作家の連作長篇。

「乃美さん、わたしは卑怯な男だ」

明治十年、死の床についた長州の英雄・木戸孝允こと桂小五郎が、かつての同僚に「あの事件」の真実を語り始めた――「池田屋事件」。事件後、日本は「明治」という近代国家に向かって急激に加速していく。池田屋で新選組に斬られ、志半ばにして散っていった各藩の「志士」たち。福岡祐次郎、北添佶麿、宮部鼎蔵、吉田稔麿……。吉田松陰や坂本龍馬といった「熱源」の周囲で懸命に生き、日本を変えようとした男たちの生き様と散り際を描く。
幕末とは、志士とは、維新とは――日本を動かしたあの「熱」はなんだったのか。
最注目の歴史作家が初めて幕末京都に挑んだ連作長篇。

「二心なし」
「士は死なり」
「及ばざる人」
「凜として」
「英雄児」

【著者紹介】
1960年神奈川県横浜市生まれ。早稲田大学卒業。外資系企業に長らく勤務後、執筆業に転じ、歴史小説や歴史に材を取った実用書を相次いで発表。
2013年、『国を蹴った男』で第34回吉川英治文学新人賞、『義烈千秋 天狗党西へ』で第2回歴史時代作家クラブ賞作品賞、『巨鯨の海』で第4回山田風太郎賞を受賞。
他の著書に『武田家滅亡』、『戦国鬼譚 惨』、『黒南風の海 加藤清正「文禄・慶長の役」異聞』(第1回本屋が選ぶ時代小説大賞受賞)、『城を噛ませた男』、『叛鬼』、『王になろうとした男』、『黎明に起つ』、『城を攻める 城を守る』、『天地雷動』、『野望の憑依者』などがある。

内容説明

「私は卑怯な男だ」。明治十年、死の床についた長州の英雄・木戸孝允こと桂小五郎が、かつての同僚にある真実を語り始めた―。「池田屋事件」。その後、日本は明治という近代国家に向かって急激に加速していく。池田屋で新選組に斬られ散っていった各藩の志士たち。吉田松陰や坂本龍馬といった熱源の周囲で懸命に生き、日本を変えようとした男たちの生き様と散り際を、最注目の作家が熱く描いた「志士たちへの挽歌」。幕末京都の、熱くて一番長い夜。道半ばで斃れ、日本の礎となった男たちを描ききった連作長編。

著者等紹介

伊東潤[イトウジュン]
1960年、神奈川県横浜市生まれ。早稲田大学卒業。『国を蹴った男』で第34回吉川英治文学新人賞、『黒南風の海―加藤清正「文禄・慶長の役」異聞』で第1回本屋が選ぶ時代小説大賞、『義烈千秋天狗党西へ』で第2回歴史時代作家クラブ賞(作品賞)、『巨鯨の海』で第4回山田風太郎賞および第1回高校生直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 3件/全3件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yoshida

153
池田屋事件を志士の立場から描いた短編集。宮部鼎蔵や北添佶摩に吉田稔麿等、池田屋事件で犠牲になった志士が描かれます。最後の桂小五郎は生き残った大物です。メインは桂小五郎の回になると思う。桂小五郎は、池田屋を訪れた時間が早く、一度池田屋から離れた為、難を逃れたというのが通説です。事実は違ったと作中では訴える。真偽は分からない。しかし、池田屋事件や禁門の変がなければ維新はどう変わったか。結局は欧米列強から独立を守るよう、中央集権国家が成立したと思う。あまり馴染みのなかった池田屋事件への興味が湧いた作品であった。2019/07/27

Die-Go

99
新選組の斬り込みで有名な「池田屋事件」を、犠牲となった志士側の視点から描く短編集。北添佶摩や宮部鼎蔵、吉田稔麿、桂小五郎と言った有名どころだけでなく、全く無名の福岡祐次郎と池田屋との関わりを創造力豊かに描いている。志士の熱い思いを絶ち切った新選組の所業は、やはり維新政府側からすれば恨みを持って当然の事だったのだろう。短編集にも関わらず、一編一編が繋がりをどこかで持っているのでまるで長編を読んでいるような濃い読書だった。★★★★☆2017/09/05

あさひ@WAKABA NO MIDORI TO...

75
伊東さん初の幕末もの。池田屋事件をテーマに、志士側の視点で書かれているため、沸騰した時代に生きる人々の自国の未来への思い、仲間への信頼、そして武士としての潔さが悲しいくらいに伝わってきます。あれもこれもと詰め込みすぎず、登場人物も絞り込んだことで、感情移入もしやすくとても印象的な作品でした。伊東さんと言えば戦国ものの乾いたイメージが強いですが、今後は熱い幕末ものでも期待大です(*^^*)2016/11/23

starbro

65
激動の幕末の無名の志士の生き様、死に様がリアルに描かれています。連作で章毎に主人公が変わるのと一般的にはマイナーな主役に感情移入がしずらいのが難点かも知れません。2014/11/20

レアル

62
連作短編。幕末に起こった「池田屋事件」を斬られる志士の視点から、躍動感たっぷりに描かれている。知らない志士も登場し読んでいて、物語よりもその登場人物の方に興味がいく。攘夷派の志士としての覚悟も見られるが、新選組側の佐幕派側の覚悟も見えて、立場は違うがこの時代を背負う男たちの思いが読んでいて伝わる。池田屋事件にあまり詳しくない為かどの話も頷きながら読んだ。2017/09/08

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/8275518
  • ご注意事項