出版社内容情報
校庭を逆立ちで疾走!? クラスで目立たない町平直司の意外な行動が波紋を起こす。読後、声を出して応援したくなる青春群像小説誕生体育祭でビリになった緑組の応援団長・町平直司が、逆立ちで校庭2百メートル一周することになった。
全国模試4位の成績優秀な伊集院慶一は「俺のせい?」と後ろめたくなり、母親の再婚話をうとましく思う美鈴は「もしかして、私を助けてくれたの?」と動揺し、野球部の四番の大門勝也はとまどいながらも「こいつを応援したい」と思う。
「チーム」シリーズ、「100%ガールズ」シリーズで人気の著者が描く中学生のリアルな青春群像小説。
もくじ
第一章 立ちすくむ人
第二章 見守る人
第三章 見守りたくなかった人
第四章 疾走する人
吉野 万理子[ヨシノ マリコ]
著・文・その他
内容説明
中学生4人の視点で中学生たちの“弱さ”と“本音”が浮かび上がる!クラスで存在感がない町平直司は、体育祭で緑組の応援団長を引き受けた。そしてビリチームの罰ゲームとして逆立ちで校庭二百メートルを一周することに。きっと途中であきらめるだろうとみんなが思うなか…。誰もが抱えている弱い部分を奮い立たせてくれる小説がここに誕生!
著者等紹介
吉野万理子[ヨシノマリコ]
1970年、神奈川県出身。作家、脚本家。2005年、『秋の大三角』(新潮社)で第一回新潮エンターテインメント新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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みかん🍊
69
秀才で放送部の慶一、母親の再婚話に悩む料理部の美鈴、体格がいい為いじめていると思われる野球部大門、そしてじゃんけんに負けて体育祭の」応援団長になり、負けた罰ゲームで200mを逆立ちで1周することになる生物部町平、中学生の彼らの羞恥心、プライド、素直になれない、伝えれない思春期の彼等の様々な思いが痛々しいです、今の中学生は空気を読むとか、自分の立場を守るために上手く立ち回らなくてはいけない、そうして少しずつ変わって成長していく。2015/01/27
BlueBerry
64
私としては全然入り込めなかった(笑。ふざけ半分で決められた罰ゲームのお話なので正直言って「割とどうでも良い話だな~」というのが最初の印象。多分、真っ最中の中学生達の心は捉えられるのだろう思います。中学生時代ってこんな感じだったんだろうなと懐かしい気はちょっとしました。 序盤○中盤△ラスト△総合△2014/10/28
七色一味
62
読破。やる方もやる方だけど、やらせる方もやらせる方だし、見てる方も見てる方だなぁ。同世代ならわかる妙な「プライド」──まぁ、いうなればただの「見栄」なんだけど、それを守ろうとすることに拘る、そういう年代なのかもしれない。私みたいにオトナんなっちゃうと、引っ込めるべきところとか出すべきところってのが自然にわかっちゃうもんだろうけど…。あれ? 私、そのあたりわかってる? (´ヘ`;)ウーム…。案外私も、まだ突っ張っちゃうところあるかな…。2015/02/07
そうたそ
42
★★★★☆ 体育祭でビリになったら責任をとって逆立ちで校庭を一周するという団長同士の賭けに負けた町平。彼がそうする結果になったことに責任を感じる同級生たちの視点も併せて描かれる青春小説。なんてことない青春小説だが、思春期の学生の難しい内面がリアルに描かれているように思う。それぞれが思うことは様々だが、一人ひとりに共感できる。この年頃の子どもって、胸に抱える思いは様々だけれど、やっぱり大人と違って擦れてないなあと思う。だからこそこういう青春小説を読むと、胸が洗われる気がするんだよなあ……。2015/02/06
キラ@道北民
40
中学生4人が語る学園小説。周りにどう思われているか敏感に感じ取るところや、イメージ通りの自分でいたいと頑張るところ、恥ずかしさを隠すところ、微妙な年頃の心の動きを上手く表現し、まさにYAオススメの1冊です!素直になれなくても、真っ直ぐな心情に心打たれます。2016/10/23