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道化師の蝶

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  • サイズ B6判/ページ数 173p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062175616
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

第146回芥川賞受賞作!言語を使って文章を書く。そのことを徹底的に意識したメタフィクションの傑作。進化を続ける作家の最新作。

第146回芥川賞受賞作!
無活用ラテン語で記された小説『猫の下で読むに限る』。
希代の多言語作家「友幸友幸」と、資産家A・A・エイブラムスの、
言語をめぐって連環してゆく物語。
SF、前衛、ユーモア、諧謔…すべての要素を持ちつつ、常に新しい文章の可能性を追いかけ続ける著者の新たな地平。

道化師の蝶
松ノ枝の記

【著者紹介】
1972年、北海道生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。2007年「オブ・ザ・ベースボール」で文學界新人賞受賞。2010年『烏有此譚』で野間文芸新人賞。2011年、早稲田大学坪内逍遙大賞奨励賞受賞。
他の著書に『Self-Reference ENGINE』『Boy's Surface』『後藤さんのこと』『これはペンです』などがある。

内容説明

無活用ラテン語で記された小説『猫の下で読むに限る』。正体不明の作家を追って、言葉は世界中を飛びまわる。帽子をすりぬける蝶が飛行機の中を舞うとき、「言葉」の網が振りかざされる。希代の多言語作家「友幸友幸」と、資産家A・A・エイブラムスの、言語をめぐって連環してゆく物語。第146回芥川賞受賞作。

著者等紹介

円城塔[エンジョウトウ]
1972年北海道生まれ。東北大学理学部物理学科卒業。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。2007年「オブ・ザ・ベースボール」で文學界新人賞、2010年『烏有此譚』で野間文芸新人賞、2011年、第3回早稲田大学坪内逍遙大賞奨励賞を受賞する。「道化師の蝶」で第146回芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

329
2011年下半期芥川賞受賞作。難解な作品である。それは、この小説が通常のそれのような物語世界の像を形作らないことに起因している。小説の中を流れる時間も、互いに螺旋のように絡まり合いながら、しかも「メビウスの輪」のような繋がり方をしているのだ。作中の人物エイブラムス氏にしても、男かと思えば女だし、また男だったりもする。友幸友幸にいたっては、さらに掴みどころがない。ところが「無活用ラテン語」は実在したりもする。つまり、ここでは言語が小説世界を仮構するのではなく、言語それ自体が小説世界そのものに他ならないのだ。2013/06/23

遥かなる想い

213
第146回(平成23年度下半期) 芥川賞受賞 言葉をめぐる世界。 読んでいて丸谷才一を 想起したのは、私だけだろうか。 移動中の発想、読書の 味わいを描く。 「旅の間しか読めない本があると よい」。確かに 場所により、読む本の 感想は異なり、発想は 変わる。旅行中に浮かぶものを 「蝶」になぞらえ、発想を 捕まえるということが できたら、確かに面白い。 『~で読むに限る』を書いた エイブラムス氏の発言は 突拍子もなく、物語に奇妙なテンポを 与えている。2013/11/03

射手座の天使あきちゃん

197
1週間かかって読了、でも・・・ 参りました! m(_ _)m  「きことわ」に続き芥川賞作品に2連敗、棚の上のだるまさんですw 手も足もでましぇ~ん (>_<)  追随を許さぬ舞台の変遷と意味不明の比喩に、正に言葉のラビリンスに入り込んだ哀れな旅人でした、面目ない!! <(^_^;2012/06/09

kishikan

159
これまで読んだ円城さんの3冊の中では一番読みやすかったな。とはいえやはり円城さん。なんとなく理解できたようなそうでないような。道化師の蝶は、本当に文章が蝶のようにひらひら舞い、僕は網を持ってひたすら追いかけるけど、捕まえたら仮面が剥がれて別の顔という感じ。きっと何度も読み返す必要があるんだろうな。でも再読あるかな。松の枝の記の「いくつもの春が巡り、冬が巡り、秋が巡り、夏が巡る。雪は刹那の裡に過ぎ、空は渦巻き、傍らでは同じ琥珀がいつまでも燃え続けている。波は時間を忘れてたように静かだ。・・・・」の件は名文!2012/06/04

ひめありす@灯れ松明の火

113
一瞬の命しか持たない言の華に、何か形を与えるならきっと、薄い翅持つ蝶の姿をしているのではないかと思う。あちらへこちらへ、とどまるところを知らぬ蝶は、虹色。やっと捕えたしても私ではないよと素知らぬ顔をして、違う色の翅を広げてまたどこかへ飛んでいく。見下されているわけでも、突き放されている訳でもない。ただ、見据えられ、試されている。挑まれている。その複眼全てに私達の姿を映し、彼らは自分を理解するに値する存在であるかと。見切ったと信じた瞬間伸ばした腕。すり抜けていく蝶。あとは七色のキラキラが、指の中に残っている2012/07/11

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