出版社内容情報
今もなお、新しくて、温かい。もう一度読み返したい森絵都作品
森 絵都 debut 20周年
YA小説の金字塔! 森 絵都 再読!
※本書は1998年7月に理論社から刊行された『カラフル』を加筆修正したものです。
森 絵都[モリ エト]
著・文・その他
内容説明
一度死んだぼくは、天使業界の抽選に当たり他人の体にホームステイすることに。そして気がつくと、ぼくは小林真だった…。デビュー20周年、新しくて、温かい、もう一度読み返したい森絵都作品。
著者等紹介
森絵都[モリエト]
1968年、東京に生まれる。早稲田大学卒業。講談社児童文学新人賞を受賞した『リズム』でデビュー、同作品で椋鳩十児童文学賞を受賞。『宇宙のみなしご』で野間児童文芸新人賞と産経児童出版文化賞ニッポン放送賞、『アーモンド入りチョコレートのワルツ』で路傍の石文学賞、『カラフル』で産経児童出版文化賞、『DIVE!!』(全4巻)で小学館児童出版文化賞、『風に舞いあがるビニールシート』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とも
60
★★★★内容はごくごく平凡なものである。結論もある意味想定内。であるのに非常に良い作品であるのは、ひとえに作家の技量の成せる技か。生きていれば、時に後ろ向きになることもあれば、目の前が真っ暗になり、生きている意味がわからなくなることもある。生きるとは単なる生物的な意味で食って寝ての繰り返しだけではない。人との社会との繋がりのなか、時に生々しいかったり荒っぽい事を、真っ正面から受け止めるだけではなく一歩引いて落ち着いて冷静になることも必要なんだという事を小林真の体験を通じて実感させてもらえた気がする。2016/01/23
テツ
35
気づいたら死後の世界。現世で罪を犯したぼくは地上に存在するある肉体に入り直し、再び輪廻転生のサイクルに戻れるかどうか試験を受ける。今の人生は魂のホームステイ。そう思うことが出来れば、きっと生きる上で出くわす辛いこともやり過ごせる。そして自分を客観視してみること。辛い辛いと思っていても、きっと君の側には誰かがいる。何かに追われているような焦燥感の中では気がつきにくいだろうけれど、誰かがいる。極彩色の中で溢れる色に呑まれ包まれ、それでも生きていく理由。お手本のような素晴らしい児童文学。2019/03/02
マリリン
31
勤務先の小学校の図書館で見つけました。森絵都さんが書いた小学生向きの小説ってどうなの?~と興味をそそられ借りてきました。売春や不倫が出てきて、ちょっとドキドキしましたが、この小説を読んだ小学生はきっと本好きになるだろうなぁ。2014/10/04
canacona
30
随分前に映画を見て、それを思い出しての長女リクエスト。映画も良かったけど、文章も真の内面がよくわかって良い。文体は児童書なので軽くてするする読めてファンタジー風味だけど、内容はなかなか重い。これだけのどん底と闇を飲み込んで、立ち直った真は強いと思うな。明日っていうのは、今日の続きじゃないんだ、というお友達の言葉が印象的。昨日の常識が180度変わることだってある。でもだからこそ、いつだってやり直せないことはない。死なない限りね。2021/05/06
禅
30
輪廻転生のチャレンジに当選したラッキーソウル。人生のやり直しが出来るなら、その過程が記憶に残っているのなら羨ましい限りです。自分にもプラプラ現れないかな。死ぬのはゴメンですけど。良いお話でした。2020/05/19