歌うクジラ〈上〉

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  • サイズ B6判/ページ数 375p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062165952
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

人類を震撼させる村上龍の新たな代表作!
不老不死の遺伝子を持つSinging Whale=歌うクジラの発見が世界を一変! 時は22世紀、15歳の少年の体内に埋められたチップから冒険が始まる。

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内容説明

2022年のクリスマスイブ、ハワイの海底で、グレゴリオ聖歌を正確に繰り返し歌うザトウクジラが発見された…。そして100年後の日本、不老不死の遺伝子を巡り、ある少年の冒険の旅が始まる。

著者等紹介

村上龍[ムラカミリュウ]
1952年、長崎県に生まれる。武蔵野美術大学中退。’76年に『限りなく透明に近いブルー』で群像新人文学賞、芥川賞を、’81年に『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、’96年に『村上龍映画小説集』で平林たい子文学賞、’98年に『イン ザ・ミソスープ』で読売文学賞、2000年に『共生虫』で谷崎潤一郎賞を受賞、’05年に『半島を出よ』で野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。小説、エッセイにとどまらず「TOPAZ(トパーズ)」などの映画製作や、サッカー、国際政治、経済に関する著作など、あらゆるジャンルで旺盛な活動を展開している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

95
村上龍のディストピア小説で、系列的には『コインロッカー・ベイビーズ』に似ているという印象です。近未来のサブカル的世界観がありました。不老不死の力を入手した時代を辺境と堕落という暗い色彩で描いているのが見事ですね。文明の衰退した時代だからこそ本能に目覚めていく冒険譚の序章とでも言うべきでしょうか。下巻も読みます。2017/09/14

ちゃちゃ

26
恐るべし文化経済効率化運動・・・!狂った世界だけれど,これもまた「五分後の世界」のように,僕らの世界からほんの少しだけずれた所に存在しているのでしょう。彼らの生きようとする強烈なパワーを感じますが,映像は見たくないですなあ。反対に僕自身の生きるパワーはだいぶ奪われてしまったように思われます。・・・それで,クジラさんは?グレゴリオ聖歌を歌うというクジラさんにあいたいのだけれど・・・?装丁がとてもステキだと思うなり。下巻も頑張る。2011/08/22

ヨクト

25
この世界はディストピア。汚辱にまみれた世界。不老不死が可能となり、誰もが電子チップで監視される。差別は増長され、敬語は駆逐され、性犯罪は撲滅を進められる一方で多く蔓延る。近未来SFの世界設定で、少年の冒険譚といえば聞こえはいいが、なんともハードな世界だ。この物語をどう決着させるか楽しみ。2014/11/15

かえる王子、福岡を救う

23
基本的には主人公の冒険譚だが、それ自体にあまり重きは置かれていない。それよりは、要所要所で語られる舞台設定を通して、村上龍が語る現代日本への批判、警鐘が本書の要点。そこに面白さを感じないと延々と続く解説にウンザリする事になる。物語自体にも躍動感が希薄なので、読破する迄に本当に時間がかかった。下巻は暇な時にでも読もう。2014/06/02

キジネコ

21
楽園、ハワイの明るい日差しの差し込む海、少しずつ深度を増し光の届かない世界に沈行する潜水艦、耳を澄ます乗組員達に闇の世界から届くグレゴリオ聖歌!旋律を正しく歌うザトウクジラの柔らかな回遊!美しい!これが起点となって世界が回る。物語は、この推定1400歳の歌うザトウクジラの遺伝子を得たことにより醜い悲喜劇に塗りつぶされてゆく。作家は往々救いがたい世界を描く。読者は、この仮想の世界で何を読みとるのか?これは龍兄の預言書か?この物語、未来に光はあるのか?感想は通読した後としたいが 読むか、読まずにおくか・・2013/01/20

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