内容説明
好意、愛情、執着、嫉妬、秘密…、人を好きになる気持ちのすべて。あるひとりの女の、恋愛大河叙事小説。
著者等紹介
椰月美智子[ヤズキミチコ]
1970年生まれ。神奈川県小田原市在住。2001年、『十二歳』で講談社児童文学新人賞受賞。2007年、『しずかな日々』で野間児童文芸賞、坪田譲治文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
万葉語り
44
世代がぴったりで、懐かしかった。健太郎と美緒が別れてしまったのは残念だったが、それはそれで仕方がなく、サスケと別れた経緯にも原因にも自業自得と思った。椰月さんがこんな小説を書いていることに驚いた。2020-1562020/08/22
ゆみねこ
40
482ページ、正直やっと読み終えました。若い男女の恋物語だけれど、あまりにも奔放過ぎて、世代の違う私には理解不能の世界。今まで読んだ椰月さんの作品の中では最低、ごめんなさい、私には合わない物語でした。2013/11/14
ゆにこ
35
恋人がいるのにサスケを好きになってしまう主人公。開き直って、どっちも好きと言うなんてがく然とした。罪悪感は無いのだろうか。サスケも浮気者だし、呆れてしまう。本人の言う通り、無人島に二人だけなら上手くいくんだろう。2015/11/02
吾亦紅
34
大いなる茶番劇でした。この恋愛の主役である美緒とサスケを、なんて愚かなことよ、と思いながらも、なぜかとても愛しく感じられるのでした。特に美緒。幼くて自己中心的で身勝手でわがままで、思うままに奔放に恋愛と己れの欲望に身を任せていたけれど、父親が亡くなった場面で、ああこれで彼女の青春は終わったのだと感じた。永遠に続く春などないのだから、恋愛のさなかにいる人たちは、愚かにも見えるけど、目を逸らしてあげるから頑張ればいいよ、と思う。2020/01/28
Tui
19
しょうもなくも愛おしい、恋愛のあれやこれやを、慈しむように描いています。己に正直で突っ走るタイプの美緒を軸に物語は進みますが、本当の主人公は“恋愛”そのものという気がしました。バンヴィル『無限』や、江國香織『真昼なのに昏い部屋』を思い浮かばせる、いわゆる神の視点から俯瞰したすったもんだの恋愛模様。トホホすぎて身につまされて憐れんで。いま現在どっぷり浸かっている人も、距離を置いている人も、懐かしむ人も、恋愛という厄介者に絡め取られたいい年した大人の愛すべきみっともなさを堪能できます。2014/10/20