祖父たちの零戦

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  • サイズ B6判/ページ数 404p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062163026
  • NDC分類 916
  • Cコード C0095

出版社内容情報


「ミノル、俺たちのやりたかったのはこんなことだったのかな」――
“二十七機撃墜・味方損失ゼロ”奇跡の初空戦を指揮した進藤三郎、
敗色濃くなった南太平洋でなおも完勝をつづけた鈴木實、交錯する
二人の飛行隊長の人生を縦糸に、元零戦搭乗員一二四名へ未踏の
二〇〇〇時間インタビューを横糸にして織り上げた、畢生のノンフィクション!

<推薦コメント>
日本人として身震いするほど感動した。
この書は、名もなき英雄たちの叙事詩であり、鎮魂歌でもある。
百田尚樹(作家)

空で勇猛だった零戦搭乗員が、下界へ戻ると無口で茶目ッけの多い平凡な若者に変る。
その清々しい生き方を描いた感動的物語。
阿川弘之(作家)


著者略歴:
神立尚紀(こうだち・なおき)
1963年、大阪府生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。1986年より講談社「フライデー」専属カメラマンを務め、主に事件、政治、経済、スポーツ等の取材報道に従事。1995年、元零戦搭乗員の取材を開始する。1997年、フリーとなり、その後は主に人物ドキュメンタリーや戦史取材に力を注ぐいっぽう、カメラ・写真雑誌でも記事や写真を発表。著書に「零戦の20世紀」(スコラ)、「零戦最後の証言」、「撮るライカ」、「零戦隊長?二〇四空飛行隊長宮野善治郎の生涯」(いずれも光人社)、「戦士の肖像」(文春ネスコ、文春文庫)などがある。社団法人日本写真家協会(JPS)会員、東京工芸大学非常勤講師。NPO法人「零戦の会」理事兼副会長。

神立 尚紀[コウダチ ナオキ]
著・文・その他

内容説明

沈黙していた「大空のサムライ」たち。名もなき英雄たちの叙事詩、鎮魂歌。

目次

第1章 黎明
第2章 奮迅
第3章 逆風
第4章 完勝
第5章 落日
第6章 焼跡
第7章 変容
第8章 蒼空

著者等紹介

神立尚紀[コウダチナオキ]
1963年、大阪府生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。1986年より講談社「フライデー」専属カメラマンを務め、主に事件、政治、経済、スポーツ等の取材報道に従事。1995年(平成7年)、元零戦搭乗員の取材を開始する。1997年からフリーランスに。東京工芸大学非常勤講師、NPO法人「零戦の会」理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

黒瀬 木綿希(ゆうき)

56
『ミノル、俺たちのやりたかったことはこんなことだったのかな』 著名な零戦乗り進藤三郎氏と鈴木實氏の二人を軸とした長大なノンフィクション。国と国、組織ではなく個々人が残し、作り上げた歴史の数々。中国戦線での鮮烈デビューから南洋での苦戦、そして落日まで全てを知る零戦は搭乗員とこの戦争で何を見てきたのか。戦後の回想で『むなしい人生だった』と振り返った人物の一言が重くのしかかります。命を懸けて戦ったのに敗戦後の国民からの冷たい視線や扱いを考えると、自分なら首をくくって散っていった仲間達に会いに逝くかもしれません。2017/07/21

たーちゃん

33
零戦搭乗員のインタビューからなるノンフィクション。あんなにも命懸けでお国の為として戦ってきた搭乗員たちが、戦後は戦犯や特攻くずれなどと言われなくてはいけなかったのか。搭乗員たちの胸中を思うと胸が引き裂かれるようだった。憎み合っているわけではない人間同士が、国と国との戦争に巻き込まれ殺し合いをしなくてはいけない。元搭乗員が残した遺稿に「むなしい人生だった」という言葉があった。こんなに切ないことはない。一生懸命生きてきただけなのに、最期にむなしいと言わせた戦争を恨めしく思った。2018/09/12

Miyoshi Hirotaka

33
経済変動の周期で最も大きなものはコンドラチェフの波といわれ国家規模のイノベーションとの関連性がある。幕末以来わが国ではこの波が2回観測され、零戦の誕生は二度目の波の起点。空を飛びたいという痛々しい高揚感に衝き動かされ、その夢に果敢に挑んだ少年少女らは、パイロット、設計者、起業家になった。戦争があったが、彼らの情熱は形を変え、自動車や新幹線に生き、ついに、国産のジェット機が再び空を飛んだ。実戦を経験したパイロットの孫たちがわが国の未来を担う時代。戦争は賛美や否定の対象ではない。そこから学ぶことに意義がある。2017/05/31

鐵太郎

16
ノンフィクション、ドキュメンタリー仕立ての零戦の物語。出だしの1/4は、いままで読んだものと大差ないものでしたが、それ以後の戦記は目新しい視点で描いています。主人公としたのは海兵60期の航空部隊に属する海軍士官、鈴木實氏と進藤三郎氏。この二人を軸として、零戦の黎明期からその終焉まで戦い抜いた男たちと戦争を描いています。女優の森光子さんまで出ていたのは驚いた。不世出のファイターパイロットとして喧伝されていた坂井三郎氏への硬い視点が、ちょっと斬新。こんな見方もあったんだね。2013/10/05

roatsu

13
名指揮官搭乗員である進藤少佐・鈴木中佐という海兵同期の親友の歩みと、著者が誠実に取材した元将兵の貴重な証言を交えた海軍戦闘機隊の同時代史といえる名著。その戦史の実相と名機零戦そのものについて、戦いを担った他ならぬ当事者達の認識をベースに簡潔かつ確実に理解できると思う。第6章と第7章の敗戦後、変質した日本社会で元搭乗員が直面する現実は必読だと思う。最も印象深かったのは海兵第60期のスローガン、「古今無比、東西第一、天下第一等」の言葉。とても素晴らしく、知ってから自分もよく顧みる言葉としている。2015/08/09

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